「万引き天国アメリカ」驚きの日常...1000ドルまでは罰則なし、列車強盗も24時間内に釈放
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<アップルストアで500点近くの商品が盗まれ、被害額は約8000万円。試験中に預けた高機能スマホはクラスメイトに盗まれる。万引き増加の原因は?>
昨年4月、米ワシントン州のアップルストアで496台もの電子機器が盗まれ、推定50万ドル(約8000万円)の被害が出た。
この事件は、全米で多発している転売目的の集団窃盗事件の一例にすぎない。ほとんどの小売店では顧客や店員の安全を考えて万引犯を追及しない方針を取っているため、犯人が商品を積んだカートと共に堂々と店を出ていっても、店員はただ見ているだけだ。
また、500ドル未満の窃盗が重犯罪になるのはニュージャージー、イリノイ、ニューメキシコの3州のみで、多くの州では1000ドル以下では罰せられない。
こうした政策が犯罪を助長する一因となり、2022年のニューヨーク市での万引は前年比45%増の約6万4000件、ロサンゼルス市では前年比44%増の約1万5500件となった。
小売店だけではなく、貨物列車の荷物を狙った強奪も急増し、ロサンゼルス郡では前年比で160%増加。100人以上が逮捕されたが、24時間内に釈放されている。
学校でも窃盗が蔓延し、試験の際に預けた高機能の携帯電話をクラスメイトに盗まれるのは日常茶飯事。万引天国アメリカで道徳心を育てるのには、長い時間がかかりそうだ。