最新記事
ウクライナ戦争

爆風で窓が吹き飛ぶ衝撃シーンを記録....「巨大な黒煙」と「凄まじい爆音」が物語るHIMARS攻撃の威力

HIMARS Strike Russian Positions in Luhansk, Windows Blown Out: Video

2024年7月2日(火)20時45分
ブレンダン・コール
HIMARS

NATOの軍事演習でのHIMARS発射訓練(2017年6月、ラトビア・アダジ) fotorobs-Shutterstock

<ここ数カ月、ウクライナ軍のHIMARS攻撃を捉えたとする映像が相次いで共有されている。今回はルハンシク州ペルボマイスクの住宅で撮影されたとみられる動画が話題に>

ウクライナは、米国から供与されたHIMARS(ハイマース、高機動ロケット砲システム)を使ってロシアの標的を攻撃している。ロシア占領下にあるルハンシク州のある都市で、HIMARSによって窓が吹き飛んだとされる動画も公開された。

【動画】窓を吹き飛ばす爆風と巨大な黒煙...HIMARS「ロケット砲」攻撃の威力を物語る衝撃映像

米国はウクライナに推定20基のHIMARSを供給しており、ロシアの侵略に対峙するウクライナの大きな助けとなってきた。この数カ月、HIMARSの使用を示唆する動画がソーシャルメディアで広く出回っている。

例えばウクライナ軍は2月20日、ドネツク州ヴォルノヴァーハにあるロシア軍の第36親衛自動車化狙撃旅団が駐屯していた訓練場に、HIMARSで2発のミサイルを撃ち込み、少なくとも60人が死亡したとBBCが伝えている。

HIMARSの威力を示す最新の動画は、ポーランドを拠点に活動するベラルーシの反政府メディア「ネクスタ(NEXTA)」のテレグラムチャンネルに投稿された。6月30日に投稿されたこの短い映像は、占領下にあるルハンシク州ペルボマイスクの住宅と思われる建物の窓から撮影されたものだ。

日中に外の様子を撮影していた男性は爆発音と衝撃音を聞いて叫び声を上げる。外では黒煙が立ち上り、部屋にはガラスの破片が散乱しているのが見える。撮影者は悪態をつきながら、「全部飛んでった。窓も全部」と漏らす。

ネクスタは「ロシアの部隊が集まっている場所を狙った」攻撃であり、「撮影者の反応が攻撃の威力を雄弁に物語っている」と述べている。

一方、ドネツク州の都市ヤシヌヴァタではHIMARSの攻撃により、2020年に生まれた子供とティーンエイジャーが中程度のけがを負ったと、ロシア支配地域を率いるデニス・プシーリンが伝えている。

プシーリンは7月1日、テレグラムで同州ペトロフスキーでもHIMARSによる攻撃があったと述べている。ロシア非常事態省の職員4人が負傷し、火災が発生して住宅1棟が損壊したと報告。ウクライナ軍が155ミリ口径の砲弾で攻撃を行ったと付け加えた。

6月にはXアカウント「Ukraine Battle Map」が、ウクライナ軍がロシア兵に対して初めてHIMARS M30クラスター弾GMLRS(誘導型多連装ロケット砲)を使用したとされる動画を公開した。

同アカウントによれば、この攻撃が起きたのはザポリージャ州ブルチャークの南で、前線から20キロほど離れた場所だ。標的になったのは「少なくとも7人のロシア兵と、おそらく1台の車両」だとみられる。

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トヨタ、米ウェイモと提携 自動運転技術の開発や普及

ビジネス

鉱工業生産3月、2カ月ぶり低下の前月比マイナス1.

ワールド

トランプ氏が就任100日演説、経済政策の成果誇示 

ビジネス

中国製造業PMI、4月は49.0に低下 3カ月ぶり
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 9
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中