カマラ・ハリスがトランプにとって手ごわい敵である5つの理由
Kamala Harris is Donald Trump's worst nightmare for five reasons
バイデンが退いたら最高齢
トランプはこれまで、バイデンが高齢で大統領として適任ではないと繰り返し攻撃してきた。だがハリスのように若い候補者がバイデンに代わって民主党の候補指名を獲得すれば、トランプは米史上最高齢の大統領候補になる。
世論調査では、多くのアメリカ人がトランプは大統領として2期目を務めるには高齢すぎると考えているという結果が示されている。
トランプの支持層は大衆、ハリスはエリート
ハリスの立候補は、2024年の大統領選に勝利する上できわめて重要な(そしてバイデンが支持を失いつつあった)若い有権者の熱狂に火をつける可能性がある。
米シラキュース大学のグラント・リーハー教授(政治科学)は本誌に対して、「ハリスは大統領選に向けた民主党支持者のエネルギーや熱狂を呼び起こすことができる可能性が高い」と述べた。「バイデンの後継候補になる意思を表明してすぐに献金が舞い込んでいるのは、彼女にとっていい兆候だ」
もっとも、英ユニバーシティー・カレッジ・ロンドンのトーマス・ギフト准教授(政治科学)のように、民主党支持者は「カマラ・ハリスが民衆によって選ばれた大統領候補だと急いで自分たちを納得させようとしているように見える」とする指摘もある。
ハリスは2019年に(翌2020年の)大統領選への立候補を表明したが、最初に民主党の「予備選から姿を消した」と、ギフトは述べ、さらに続けた。
「(副大統領に就任してから)3年半の大半の期間、ハリスの支持率はよくてもバイデンに並ぶ程度だった。ハリスの真の問題は、彼女の支持が民主党のエリート層によって支えられているトップダウン型であるのに対し、トランプの支持が共和党の一般有権者によって支えられているボトムアップ型であることだ」
有罪のトランプ、検察官のハリス
ハリスが民主党の候補指名を確実にすれば、黒人で南アジア系の女性として初めて主要政党の大統領候補になるという歴史的快挙を達成することになる。彼女は「歴史的に重要な意味を持つ候補者だ」とリーハーは言う。
だがトランプと対決するにあたって彼女が強調するのは、州司法長官としての経歴だろう。トランプは5月にニューヨーク州の裁判所で、不倫の口止め料をめぐる刑事裁判で有罪評決を受けている(量刑の言い渡しは9月)。
「とにかく問題を細かく分解していくのが検察官のやり方だ」とハリスは4月に米CNNに述べた。「なぜ自分たちがこの結論に達したのかを正確に示す経験的な証拠を提示し、相手にそれを思い出させる。トランプもそれから逃げることはできない」