トランプを「バカ」と揶揄した副大統領候補...「39歳ベストセラー作家」J.D.バンス上院議員とは?
6月にニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで「私はトランプ氏の発信スタイルに注目するあまり、外交政策や貿易、移民問題で違いを鮮明にしていたことに完全に気づいていなかった」と述べた。
例えば、自由貿易が国内製造業を壊滅させて中間層の空洞化を招いたという見解や、歴代大統領が拙速に外国の戦争に巻き込まれたという主張に同意しているとした。
バンス氏は今回、ロイターの取材に応じなかった。
同氏がトランプ氏と意見が一致しているとみられる政策の一つは人工中絶への対応だ。
バンス氏は21年のインタビューで、レイプや近親相姦の被害者でも出産するよう義務付けられるべきとの考えを示唆し、昨年11月にはオハイオ州憲法に人工妊娠中絶の権利を明記することになった住民投票の結果を「腹を殴られた」と表現した。
トランプ氏との関係
事情に詳しい複数の関係者によると、バンス氏はトランプ氏と関係を築く前に、同氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏と親密になった。
このうち1人によると、バンス氏が22年のオハイオ州上院選共和党予備選でウクライナ支援に反対し、他の候補と意見が対立したことがジュニア氏の目に留まったという。
バンス氏とトランプ前大統領の個人的な関係は、今年初めの大統領選予備選の間に進展。バンス氏は今回副大統領候補に名前が挙がった複数人の一部よりも早い23年1月にトランプ氏支持を決め、忠誠心を鮮明にしていた。
資金調達活動に詳しい関係者によると、バンス氏は舞台裏で富裕層の献金者にトランプ氏への寄付を働きかけてきた。
バンス氏の国内大企業への懐疑的姿勢、関税支持、外交関係への意欲の低さ、そしてその若さは、支持者の目に大企業よりも労働者階級を重視する新しい共和党の代表として映るだろう。
バラッソ上院議員は「共和党の候補者として米国の家庭が感じている痛みを他の誰よりもうまく表現できるはずだ」とバンス氏を評した。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら