長距離ドローンがロシア奥深くに「退避」していたSU-57ステルス戦闘機2機を損傷、とウクライナ
Drone strike may have damaged 2 of Russia's most advanced combat jets—Kyiv
ロシア西部ジュコフスキーで行われた航空ショーでアクロバット飛行を見せるSU-57(2021年7月25日) Photo by Mihail Siergiejevicz / SOPA Imag/Sipa USA
<前線から約590キロ離れたロシア領内の飛行場に駐機していた最先端戦闘機を損傷。本当なら、ウクライナ長距離ドローンの最大の成果だと専門家>
ウクライナ戦争の前線から遠く離れたロシア軍の飛行場がウクライナの長距離ドローンによる攻撃を受け、ロシア軍の最新鋭ステルス戦闘機2機が損傷を受けた可能性がある。ウクライナ側は、ロシア軍のSu-57ステルス戦闘機に対する攻撃が初めて成功させた、と主張している。
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ウクライナ国防省情報総局(GUR)は6月9日、ロシア南部アストラハン州にあるアフトゥビンスク飛行場に対する攻撃を行い、ロシア軍のS-57戦闘機を損傷させたと述べた。同飛行場はウクライナ東部の前線から約590キロメートル離れている。
GURのアンドリー・ユーソフ報道官は、攻撃によりSu-57戦闘機2機が損傷を受けた可能性があるという「暫定的な情報」が入っていると述べた。
ロシア軍は第5世代ジェット戦闘機のSu-57をウクライナの前線から遠く離れたところに駐機させてきた。米軍が保有するステルス戦闘機F-22ラプターと比較されることが多い最新鋭の高価な軍事資産を危険にさらさないようにするためだ。
ロシア軍は現在、数機のSu-57を保有しており、さらに今後数年間で70機以上が軍に納入される予定だ。
貴重なSu-57の任務は限定的
ウクライナ空軍のイリヤ・イェウラシュ報道官は4月下旬に、ロシア軍はSu-57を一部の任務に使用しているが、ウクライナの防空システムの射程からは遠く離れた場所での任務に限定しようとしていると述べた。
イギリス政府は2023年初頭、ロシアがSu-57戦闘機(NATOでは通称フェロンと呼ばれている)をウクライナへの攻撃に使用していると報告。ただしロシア領内から長距離ミサイルを発射する任務に限定していると指摘した。
ロシアの著名軍事ブロガー「Fighterbomber」は9日、ウクライナ軍のドローンがアフトゥビンスク飛行場を攻撃し、Su-57戦闘機が「破片で損傷を受けた」と述べた。損傷を受けたSu-57戦闘機が修理可能な状態かどうかは分かっていない。
英シンクタンク「王立統合軍事研究所(RUSI)」のジャスティン・ブロンク上級研究員は、もしもSu-57戦闘機が大きな損傷を受けている場合、ウクライナ軍の自爆型ドローンにとって「注目すべき成功の一つ」になるだろうと指摘。Su-57のような最新鋭戦闘機の修理には、より多くの時間と費用がかかるだろうとつけ加えた。