最新記事
ウクライナ戦争

ウクライナ軍がロシアのSu-25戦闘機を撃墜...ドネツク州での衝撃映像公開

Russian Su-25 Downed by Ukrainian Missile in Point-of-View Video

2024年6月12日(水)14時40分
イザベル・ファン・ブリューゲン
ロシアのSu-25戦闘機 REUTERS

ロシアのSu-25戦闘機 REUTERS

<第110独立機械化旅団がドネツク州でロシアのSu-25を撃墜する瞬間を捉えた映像を公開した>

ウクライナ軍は、同国の東部ドネツク州で6月10日にロシアのSu-25戦闘機を撃墜した瞬間という動画を公開した。

【動画】ウクライナ軍がロシアのSu-25戦闘機を撃墜...ドネツク州での衝撃映像公開

この動画は、ウクライナ陸軍第110独立機械化旅団が11日に公開したもので、ウクライナ国防省がXに投稿した。国防省はこう書いている。「第110機械化旅団が、ロシアのSu-25ジェット機を10日に破壊した動画を公開した。素晴らしい戦士たち!」

ロシア空軍は、ウクライナ戦争で甚大な被害を出している。ウクライナは5月、ソビエト連邦時代のSu-25を大量に撃墜したと主張している。本誌は、この動画がいつ撮影されたかについて、独自に検証することはできなかった。

この一人称視点の動画には、標的が地面に落ちていく様子が映っている。第110独立機械化旅団はフェイスブックで、ロシア軍のパイロットが「われわれ旅団の責任区域に飛び込むという大胆な行動に出た」と述べている。

第110機械化旅団はさらに、「彼には、自らの愚かな行為を後悔する時間さえほとんどなかった。ロケットが発射されてから(Su-25の)側面に命中するまでの、ほんのわずかな時間だ」と続ける。「われわれは、『彼らは自爆者しか雇わないようだ』と冗談を言いあっている」

アメリカ欧州軍を率いるクリストファー・カヴォリ大将は4月の米連邦議会で、ロシアは2022年2月にウクライナへの本格的な侵攻を開始して以来、航空機の10%を失ったと述べた。

オランダのオープンソース・インテリジェンス防衛分析サイト「オリックス」は、ウクライナ戦争の開始以来、ロシアの航空機106機が破壊され、10機が損傷したことを目視で確認している。

オリックスはまた、開戦以来、ウクライナの航空機86機が破壊され、3機が損傷し、1機が鹵獲(ろかく)されたことを目視で確認している。

ロシアの兵士と装備の損失を毎日投稿しているウクライナ軍参謀本部は11日の最新情報で、ロシアは開戦以来、359機の航空機と52万850人の兵士を失ったと述べている。

ロシア国防省は10日の最新情報で、ロシア軍は開戦以来、ウクライナの航空機613機を破壊したと発表している。

本誌は、これらの数字を独自に検証できなかった。ロシアもウクライナも、自国については、死傷者数や装備の損失に関する情報をほとんど公表していない。

今回Su-25が撃墜されたドネツク州は、ルハンシク州とともに、ドンバス地方を構成しており、ドンバス地方は絶え間ない砲撃にさらされている。ロシアは、2014年にウクライナ東部に侵攻して以来、ドンバス地方を勝ち取ることを目指しており、現在も領土拡大を進めている。

(翻訳:ガリレオ)

20250408issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ住民の50%超が不公平な和平を懸念=世論

ワールド

北朝鮮、日米のミサイル共同生産合意を批判 「安保リ

ビジネス

相互関税「即時発効」と米政権、トランプ氏が2日発表

ビジネス

EQT、日本の不動産部門責任者にKKR幹部を任命
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    【クイズ】2025年に最も多くのお金を失った「億万長…
  • 10
    トランプが再定義するアメリカの役割...米中ロ「三極…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中