世界初、中国の探査機が月の「裏側」へ...「ダークサイド」の謎は解けるのか?
2024年6月11日(火)14時07分
月面を調査する中国の嫦娥6号 CNSAーXINHUA/AFLO
<無人月面探査機「嫦娥6号」はサンプルを回収し、予定どおり月の周回軌道に向かった>
中国の月面探査機が、世界で初めて月の「裏側」からサンプルを採取し地球に持ち帰る作業に入った。
サンプル回収後、無人の月面探査機「嫦娥(じょうが)6号」は小さな中国国旗を掲げた。中国国家航天局(CNSA)によると、北京時間6月4日午前7時38分に月面を離陸し予定どおり月の周回軌道に向かった。
今回、嫦娥6号は「ダークサイド」と呼ばれる月の裏側の探査を2日間かけて行った。裏側がダークサイドと呼ばれるのは太陽光が当たらないからではなく、月の自転周期と公転周期が同期した結果、月の片側だけが常に地球に面しているためだ。
米ジョージ・ワシントン大学宇宙政策研究所の創設者であるジョン・ログスドンは本誌に対し、同調査は「中国の目覚ましい技術力の証明だ」と語った。
サンプルを地球に持ち帰ることができれば、科学者たちが50年にわたって調査してきた月の表面と、月の裏側が似ているのか否かを判断することができるという。