世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由
IS INDIA’S ECONOMY OVERHYPED?
さらに、インドの汚職が中国より深刻な点も重要だ。インドでの事業リスクに関するイギリス政府のガイドラインには「インドはアジアで最も贈収賄率が高く(39%)、公共サービスへのアクセスに個人的なコネを利用しなければならない人が最も多い(46%)」と記されている。
汚職がビジネス全体のコストに多大な影響を及ぼすことを考えれば、インド政府は外国人投資家にとっての魅力を高めるために断固とした対策を取る必要があるだろう。
こうした課題を克服するには多面的なアプローチが必要で、抜本的な汚職対策はその重要な第一歩となる。また中長期的には、インフラ改善への投資、教育水準の向上、女性の就労支援が求められる。
全ての目標を達成するのは容易ではない。だが、前進しない限り、インドが期待に応えて「次の経済超大国」になるのは不可能だろう。
魏尚進(ウエイ・シャンチン)
SHANG-JIN WEI
コロンビア大学経営大学院教授(金融学・経済学)。アジア開発銀行(ADB)でチーフエコノミスト、世界銀行では汚職対策の政策・研究のアドバイザーなどを歴任した。
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら