中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿
Leading Russia Watcher in China Makes Surprise Ukraine War Prediction
ロシアの「特殊軍事作戦」は図らずもNATOの結束を強める結果となった。スウェーデンとフィンランドの加盟により、東ヨーロッパにおけるNATOの軍事的プレゼンスは拡大。加えて、NATO加盟国32カ国の大半が、ロシアの侵攻開始後に防衛予算の増額を決めた。
さらに、「鋭い観測筋」は中国の対ロ姿勢の変化にも気づいているはずだと、馮は述べている。中国の習近平国家主席は侵攻開始直前に訪中したプーチンに「限界のない」パートナーシップを約束したが、今は非同盟・中立の原則的な立場に後退しつつある、というのだ。
「中国の対ロ関係は固定的なものではない。当然ながら過去2年間に起きた出来事に影響されてきた」と、馮は述べている。
この論説が発表される前日、中国を訪れたロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が中国の王毅外相と会談。アメリカとその同盟国が構築している「ブロックに基づく」安全保障同盟に反対する考えを共有し、NATOの影響力に対抗できる「ユーラシア大陸における新たな安全保障の枠組み」について協議した。
二次制裁の効果も
中国は多額の対ロ貿易・投資を行い、孤立したロシア経済を支えてきたが、ロシアの戦闘能力の維持に直接的な貢献はしていないと主張している。だがAP通信が先週伝えたバイデン政権スタッフの話によれば、ロシアは戦車や軍用機、ミサイルの建造に必要な工作機械と電子機器の圧倒的多くを中国から輸入している。中国製のドローン(無人機)とその部品もウクライナの戦場で使われているという。
もっとも最近では、中国の銀行と企業は米政府が発動した二次制裁を回避するため、取引先を慎重に見極めているとも伝えられている。ロシアの防衛産業とつながりがある貿易業者との取引には歯止めが掛かるだろう。
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