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タリバン

アメリカとNATOの撤退後、タリバンと自前で戦う「パキスタンの孤独」

2024年3月25日(月)13時30分
マイケル・クーゲルマン(米ウッドロー・ウィルソン国際研究センター南アジア研究所長)
パキスタンとの国境にあるアフガニスタン難民キャンプ

パキスタンとの国境にあるアフガニスタン難民キャンプ Waheedullah Jahesh-shutterstock

<軍事基地が襲撃されても他国が助けてくれない今、パキスタンの孤独な戦いと皮肉について>

パキスタンは3月18日、アフガニスタンで対テロ作戦を実行したと発表した。パキスタン北部の軍事基地が襲撃され、兵士7人が死亡したことを受けての攻撃だ。

近年、同国の兵士や警察に対する攻撃が多発しており、そのほとんどがアフガンのタリバンと関係の深いパキスタン・タリバン運動(TTP)による。

タリバン当局は、パキスタンの空爆によって子供を含む民間人8人が死亡したと非難。パキスタン軍の拠点に対して報復攻撃を行ったと述べた。

パキスタン新政権は、越境攻撃によって抑止力を取り戻し、経済問題に集中したいのかもしれない。だが、今回の空爆はアフガンの2州を標的にした異例の規模の大きさで、作戦は激化している。

皮肉なことに、アメリカ主導のアフガン戦争中、タリバンはパキスタンを拠点にアフガンで攻撃を仕掛け、アフガンはNATO軍の支援を受けていたが、パキスタンは今、単独で戦わなければならない。

From Foreign Policy Magazine

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