中国漁船転覆2人死亡、中国が台湾に仕掛ける「グレーゾーン」戦略とは?
漁民の遺体を引き取りに金門島を訪れた親族は死因の究明を求めた。この件は野党・国民党寄りのメディアによって大きく報道され、野党陣営も蔡英文(ツァイ・インウェン)政権の対応は透明性が欠けていると攻撃している。
2月26日には、国民党の夏立言(シア・リーイエン)副主席が1週間の訪中に出発した。中国当局者と会う具体的な計画はないとの話だったが、国務院台湾事務弁公室の宋濤(ソン・タオ)主任と面会した。
夏が政治的に敏感な時期に中国を訪問するのは今回が初めてではない。定期的な訪中は22年8月、ペロシ米下院議長(当時)の歴史的な台湾訪問の後、人民解放軍が台湾周辺で行った実弾演習の直後に始まった。
夏が台湾に戻った後、国民党がこの訪中をどう位置付けるかが注目される。国民党はこれまでも民進党政権を脇に追いやる形で中国共産党幹部との直接会談を求めてきた。
夏の訪中を先例として、今後も頼清徳(ライ・チントー)次期政権の頭越しに中国側との会談を重ね、与党・民進党にはできないやり方で中国共産党と交渉できるとアピールする戦略を展開する可能性はありそうだ。
From thediplomat.com
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