最新記事
ウクライナ戦争

ハッチから侵入...ウクライナのFPVドローンが「450万ドルの戦車」を爆破する瞬間

Video Shows Russia's $4.5M T-90 Tank Destroyed in Drone Attack

2024年3月11日(月)17時50分
イザベル・ファン・ブリューゲン
T-90M戦車

最新のT-90M戦車(2020年6月20日、ロシア・モスクワ) Andrey Kryuchenko-Shutterstock

<プーチンはT-90M戦車を「世界最高」と自賛するが...>

ウクライナ軍が、ロシアの最新のT-90戦車をドローン攻撃で破壊したとする動画を公開した。

【動画】ウクライナ軍第92独立強襲旅団のFPVドローンがT-90戦車のハッチに侵入し、爆発する瞬間

ウクライナ国防省がソーシャルメディアに公開した17秒間の空撮映像は、ウクライナの第92独立強襲旅団が撮影したもの。ウクライナのどこか(場所の詳細は不明)で標的の戦車にウクライナ軍のFPV(一人称視点)ドローンが接近していく様子と、その戦車が炎に包まれる様子を遠くから捉えているとみられる動画の二本立てだ。

T-90はロシア軍がウクライナ戦争で使用している主力戦車だ。

ウクライナ国防省の動画には、「花火だ! FPVドローンが450万ドル相当のロシアのT-90戦車を破壊した」という説明が添えられている。ウェブサイト「1945」によると、T-90シリーズは新しいもので約450万ドル、より安価な旧型モデルは250万〜350万ドルだという。

本誌はこの動画がいつどこで撮影されたのか独自に検証することはできなかった。

ロシア国営タス通信によれば、ウラジーミル・プーチン大統領は2023年6月、T-90Mプラルィヴ戦車を世界最高の主力戦車と自賛した。

ロシア国営の防衛コングロマリット「ロステック」のセルゲイ・チェメゾフCEOは今月3日、T-14アルマータはより優れた戦車だが、ウクライナ戦争で使用するには「価格が高すぎる」と述べた。

「一般的に、アルマータは少し高価だ」と、チェメゾフはロシアの国営通信社RIAノーボスチのインタビューで語っている。「機能面に関してはもちろん、従来の戦車よりはるかに優れているが、あまりに高価なため軍が今すぐ実戦投入することはないだろう。T-90を購入する方が簡単だ」

ウクライナ軍は4日付の報告で、ロシア軍は2022年2月24日の開戦以来6657両の戦車を失ったと述べている。ウクライナ軍参謀本部はロシア軍の兵士と装備の損失について毎日発表しており、戦車の損失もその一部だ。

ウクライナ軍はまた、ロシアがこの戦争で41万9020人の兵士、1万258基の自走榴弾砲、1万2688台の装甲兵員輸送車(APC)、347機の軍用ジェット機を失ったとしている。本誌はこれらの数字について独自に検証することはできなかった。

死傷者数の見積もりは情報源によって異なる。ウクライナの数字は通常、西側同盟諸国の数字を上回っている。ロシアは自国の犠牲者数に関する情報をほとんど公表していない。同じように、ウクライナもまた死傷者数に関する情報を提供していない。

(翻訳:ガリレオ)

20250401issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月1日号(3月25日発売)は「まだ世界が知らない 小さなSDGs」特集。トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震、インフラ被災で遅れる支援 死者1万

ビジネス

年内2回利下げが依然妥当、インフレ動向で自信は低下

ワールド

米国防長官「抑止を再構築」、中谷防衛相と会談 防衛

ビジネス

アラスカ州知事、アジア歴訪成果を政権に説明へ 天然
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...スポーツ好きの48歳カメラマンが体験した尿酸値との格闘
  • 4
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 5
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 6
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 7
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 10
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中