最新記事
ウクライナ戦争

ロシアのミサイル工場で大規模爆発...巨大な火球が映る衝撃映像

Russia Denies Izhevsk 'Emergency' As Videos Show Fireball Over ICBM Plant

2024年2月16日(金)15時30分
イザベル・ファン・ブリューゲン
(写真はイメージです) pudiq-Shutterstock

(写真はイメージです) pudiq-Shutterstock

<住民が撮影した動画には、上空に巨大な火球が上がり、空が照らし出された様子が映っていた>

ロシア中部ウドムルト共和国で、核兵器の部品や弾道ミサイルを製造する兵器工場上空の巨大な火球が映る動画が撮影された。ロシア政府は緊急事態を否定している。

【動画】巨大な火球が映る衝撃映像...ロシアのミサイル工場で大規模爆発

巨大な爆発は2月7日、ヴォトキンスク兵器工場の敷地内で起きたと伝えられている。同工場はウドムルト共和国の首都イジェフスクから50キロほどの場所にあり、大陸間弾道ミサイル(ICBM)「RS-24ヤルス」などを製造している。

住民が撮影した動画には、この場所の上空に巨大な火球が上がり、空が照らし出された様子が映っていた。火災の前に爆発音が聞こえたという住民の証言もある。死傷者が出たかどうかは分かっていない。

ロシア語のテレグラムチャンネルbbbreakingは、「イジェフスク近郊の爆発についてウドムルト共和国のトップが、共和国領内で緊急事態は起きていないとコメントした」と伝えた。

ロシア国営タス通信によると、地元の緊急事態庁は爆発の原因について「予定されていたロケットエンジンのテスト」だったと発表し、「計画的な出来事であり、緊急事態ではない」と説明した。

米政府が資金提供するメディア「自由欧州放送(RFE/RL)」は、そうしたテストの予定は通常であればロシア緊急事態省のウェブサイトに掲載されているが、今回は掲載がなかったと指摘した。

ロシア語の独立系ニュースメディア「メディアゾナ」によれば、現地時間の午後11時ごろ、ウドムルト共和国の緊急事態省がテレグラム公式チャンネルに「ロシア非常事態省はイジェフスク近郊のヴォトキンスク工場内の大きな爆発について確認していない」と投稿した。

この投稿は数分後に削除され、30分後に同省は別の投稿を掲載。「ウドムルト共和国領内で緊急事態や異常事態の届け出はなく、社会的重大事は発生していない」とした。

本誌はロシア国防省に電子メールでコメントを求めている。

ウクライナのアントン・ヘラシチェンコ内相顧問はXへの投稿で、同兵器工場について「イスカンデルやトーチカUのミサイルと弾薬を製造していることから、EUの制裁リストに掲載されている」と指摘した。

ウクライナはロシアの領土に対する攻撃についてはコメントしない方針に基づき、今回の事態についても関与を認めていない。

ロシアではここ数週間でドローン攻撃が急増しており、主に石油施設や精製所が狙われている。

先月は黒海に面したロシア南部のトゥアプセにある石油輸出大手ロスネフチの製油所で、ドローン攻撃が原因とみられる大規模な火災があった。

(翻訳:鈴木聖子)

ニューズウィーク日本版 独占取材カンボジア国際詐欺
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月29日号(4月22日発売)は「独占取材 カンボジア国際詐欺」特集。タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

豊田織機の非公開化報道、トヨタ「一部出資含め様々な

ビジネス

中国への融資終了に具体的措置を、米財務長官がアジア

ビジネス

ベッセント長官、日韓との生産的な貿易協議を歓迎 米

ワールド

アングル:バングラ繊維産業、国内リサイクル能力向上
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 3
    トランプ政権の悪評が直撃、各国がアメリカへの渡航勧告を強化
  • 4
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 5
    アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではな…
  • 6
    関税ショックのベトナムすらアメリカ寄りに...南シナ…
  • 7
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 8
    ロケット弾直撃で次々に爆発、ロシア軍ヘリ4機が「破…
  • 9
    ビザ取消1300人超──アメリカで留学生の「粛清」進む
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 8
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 9
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 10
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中