最新記事
ウクライナ戦争

ウクライナのハイマースがロシアの地対空ミサイル「ブク」を撃破...大爆発を起こして粉々に

Dramatic Video Shows Ukraine HIMARS Destroy Russian Buk System

2024年2月15日(木)17時50分
アイラ・スリスコ
(写真はイメージです) Dr Ajay Kumar Singh-Shutterstock

(写真はイメージです) Dr Ajay Kumar Singh-Shutterstock

<ハイマースは幾度となくウクライナ軍の空爆を成功させてきた>

米国製の高機動ロケット砲システム(HIMARS=ハイマース)がロシアの地対空ミサイル「ブク」を撃破する映像を、ウクライナ軍が新たに公開した。

【動画】大爆発の一部始終...ウクライナのハイマースがロシアの地対空ミサイル「ブク」を撃破

地対空システムは、衝突が続く2年近くの間、ロシア軍とウクライナ軍の双方にとって重要な役割を担ってきた。ロシア軍の侵攻が始まって以来、ウクライナ全土で空爆が相次ぐ。一方、ロシアもウクライナのドローンやミサイルでクリミア半島の占領地などが攻撃され、戦争が進むにつれてロシア国内に対する攻撃も増えている。

ウクライナ軍が12日にX(旧ツイッター)に投稿したのは16秒の映像。ブクはウクライナの攻撃を受け、大爆発を起こして粉々になった。「ミスターハイマースは過ちを許さない」という字幕が流れる。

「ウクライナのミサイルでロシアの地対空システム『ブク』が分子と化した瞬間」という字幕に続き、ロシアのミサイルシステムがウクライナのロケットの照準に入る。

「ウクライナ軍第14連隊の射撃修正でハイマースによって実行した」。続く字幕の間に爆発が広がり、破壊されたロシアのシステムが粉々になって地面に散乱する場面で映像は終わる。

本誌は12日、ロシア国防省に電子メールでコメントを求めた。

ハイマースは幾度となくウクライナ軍の空爆を成功させてきた。トラックに搭載したシステムは戦線で動きやすく、手早くミサイルを装填できる。

報道によると、ブクはジェット機やヘリコプター、ミサイルのような空中の目標を3~45メートルの距離から攻撃でき、車輪やトラックを使って場所から場所へと移動できる。

国際戦略研究所によると、2023年初頭の時点でウラジーミル・プーチン大統領のロシア軍は、3種類のモデルで構成されるブクを約350基保有していた。

ブクがウクライナに持ち込まれて以来、何基が破壊されたのかは不明だが、ウクライナ軍はブクが炎上する映像をここ数カ月の間に数本投稿している。

ウクライナ軍は昨年11月下旬、少なくとも2基のブクを破壊したと主張。数日後の12月上旬には、ミサイルと思われる攻撃でもう1基のブクを破壊したとする映像を公開した。

ウクライナのドネツク州でさらに3基のブクを破壊したとする1分間の映像も、ウクライナ特殊作戦部隊が1月初旬、ネットに投稿した。

本誌はロシア側の損失があったとされる場所も、ウクライナが公開した映像の信憑性も、独立した立場からは確認できていない。

(翻訳:鈴木聖子)

20250408issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年4月8日号(4月1日発売)は「引きこもるアメリカ」特集。トランプ外交で見捨てられた欧州。プーチンの全面攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独メルセデス、安価モデルの米市場撤退検討との報道を

ワールド

タイ、米関税で最大80億ドルの損失も=政府高官

ビジネス

午前の東京株式市場は小幅続伸、トランプ関税警戒し不

ワールド

ウィスコンシン州判事選、リベラル派が勝利 トランプ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 2
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2人無事帰還
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    「隠れたブラックホール」を見つける新手法、天文学…
  • 8
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 9
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 10
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 3
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥーが解明される...「現代技術では不可能」
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中