最新記事
大統領選挙

トランプ対抗馬の最右翼、支持率上昇中の共和党候補ニッキー・ヘイリーとは

Biden Campaign Slams Surging Nikki Haley: 'MAGA Extremist'

2023年11月20日(月)17時20分
レイチェル・ドブキン
ニッキー・ヘイリー

保守派が拘る中絶禁止にも柔軟な姿勢を見せる「穏健派」(写真は、11月8日にフロリダ州マイアミで行われた共和党3度目の討論会)REUTERS/Mike Segar

<2024年大統領選挙の共和党候補として頭角を現すニッキー・ヘイリー前国連大使。トランプにはまだ差をつけられているが、他の大物政治家を抜いて2位に浮上した>

【写真特集】ポルノ女優から受付嬢まで、トランプの性スキャンダルを告発した美女たち

2024年共和党大統領候補ニッキー・ヘイリー元国連大使の支持率が上昇している。2011年から2017年までサウスカロライナ州知事を務めたヘイリーは、今回の共和党候補者のなかでは穏健派の一人とみられている。全米を二分する中絶の是非についての見解も同様だ。

ヘイリーは自らを「誰はばかることのないプロライフ(人工中絶合法化反対)派」であると公言しながらも、国民は中絶という医療行為を「悪者扱い」するのはやめるべきだと呼びかけ、養子縁組や避妊へのアクセスを推進してきた。


2022年6月、連邦最高裁はドブス対ジャクソン女性健康機構の判決で、妊娠中絶を権利として認めた1973年のロー対ウェード判決を覆し、中絶の権利は憲法上のものではないとする判断を下した。これにより、中絶の権利が認められるかどうかは、各州の判断に委ねられた。

11月17日にアイオワ州で開かれた保守派キリスト教徒のフォーラムで、もし自分がまだサウスカロライナ州知事だったら妊娠6週目以降の中絶を禁止する「ハートビート(心音)法案」に署名するかどうか質問されたヘイリーは巧みにこう答えた。「はい、国民が決めたことなら何でも」

穏健とはいえない経歴

ジョー・バイデンの選挙チームは、中絶反対法案を提出したこともあるヘイリーの経歴からすれば、彼女を「穏健派」とみなすのは間違いだとした。

「ニッキー・ヘイリーは穏健派ではない。サウスカロライナ州知事だったときと同じように、女性の自由を奪おうとする中絶反対のMAGA過激派だ」と、バイデン・ハリス2024選挙陣営の迅速対応チーム責任者アマル・ムーサは、17日にX(旧ツイッター)で声明を発表した。「今、ヘイリーは、サウスカロライナ州の女性に押し付けた恐怖と不安を、この国のすべての女性にもたらすと約束している」

「ドナルド・トランプも、ニッキー・ヘイリーや、その他のMAGA過激派も、アメリカ国民が望んでもいない危険な反自由主義のアジェンダを掲げている」と、ムーサは続けた。

一方、ヘイリーの広報担当を務めるケン・ファーナソは、24年大統領選挙に関する複数の世論調査で、本選挙においてヘイリーとバイデンの対決を想定した場合、ヘイリーに投票すると答えた人の割合が、バイデンに投票する人をかなり上回っていることを指摘した。その差は、トランプ対バイデン、あるいはフロリダ州のロン・デサンティス知事対バイデンよりもはるかに大きかった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:フィリピンの「ごみゼロ」宣言、達成は非正

ワールド

イスラエル政府、ガザ停戦合意を正式承認 19日発効

ビジネス

米国株式市場=反発、トランプ氏就任控え 半導体株が

ワールド

ロシア・イラン大統領、戦略条約締結 20年協定で防
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ新政権ガイド
特集:トランプ新政権ガイド
2025年1月21日号(1/15発売)

1月20日の就任式を目前に「爆弾」を連続投下。トランプ新政権の外交・内政と日本経済への影響は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼いでいるプロゲーマーが語る「eスポーツのリアル」
  • 2
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べている」のは、どの地域に住む人?
  • 3
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲うウクライナの猛攻シーン 「ATACMSを使用」と情報筋
  • 4
    【クイズ】次のうち、和製英語「ではない」のはどれ…
  • 5
    「搭乗券を見せてください」飛行機に侵入した「まさ…
  • 6
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者…
  • 7
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 8
    「ウクライナに残りたい...」捕虜となった北朝鮮兵が…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    雪の中、服を脱ぎ捨て、丸見えに...ブラジルの歌姫、…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 3
    睡眠時間60分の差で、脳の老化速度は2倍! カギは「最初の90分」...快眠の「7つのコツ」とは?
  • 4
    メーガン妃のNetflix新番組「ウィズ・ラブ、メーガン…
  • 5
    轟音に次ぐ轟音...ロシア国内の化学工場を夜間に襲う…
  • 6
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「拷問に近いことも...」獲得賞金は10億円、最も稼い…
  • 9
    ドラマ「海に眠るダイヤモンド」で再注目...軍艦島の…
  • 10
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 1
    ティーバッグから有害物質が放出されている...研究者が警告【最新研究】
  • 2
    大腸がんの原因になる食品とは?...がん治療に革命をもたらす可能性も【最新研究】
  • 3
    体の筋肉量が落ちにくくなる3つの条件は?...和田秀樹医師に聞く「老けない」最強の食事法
  • 4
    夜空を切り裂いた「爆発の閃光」...「ロシア北方艦隊…
  • 5
    インスタント食品が招く「静かな健康危機」...研究が…
  • 6
    ロシア軍は戦死した北朝鮮兵の「顔を焼いている」──…
  • 7
    TBS日曜劇場が描かなかった坑夫生活...東京ドーム1.3…
  • 8
    「涙止まらん...」トリミングの結果、何の動物か分か…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    「戦死証明書」を渡され...ロシアで戦死した北朝鮮兵…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中