巨大ザメの衝撃的な死骸を発見...バラバラに裂かれた身体が物語る「海の王者」の謎に包まれた生態
Orcas Rip Apart Great White Shark in Rare Attack
「2022年、ドローンの映像から、既知のペアの片方と一緒に、ほかのシャチたちも同様の行動を取っていることが判明した。シャチは、急速な学習をおこなうことが知られているが、この行動がそうした文化的伝達によるものかはまだわからない。また、こうした行動が広まっているかもわからない。観察が継続されている」
シャチたちのこうした行動は、当該海域の生態系に影響を与えている。南アフリカ沖では、ホホジロザメとクロヘリメジロザメが、シャチが回遊する場所を避けているのが観察されている。それらの海域では、以前は食物連鎖の頂点にこうしたサメが君臨していたのだが、シャチの影響で数が激減する事態となっている。
「サメの減少は中位捕食者の解放につながる」
「海洋生態系の頂点捕食者であるホホジロザメの減少や移動は、中位捕食者の解放につながる可能性がある」とタウナーは説明する。「南アフリカなどの海域では、シャチが原因でホホジロザメが不在になり、ミナミアフリカオットセイと、絶滅の危機にあるケープペンギンとの間で、小型の遠洋魚を巡る競争が激化している」
オーストラリアの研究者たちは現在、サメの死骸に残された傷の調査や、「犯人」が残した唾液などの残留物に関する遺伝子調査をおこなっている。
サメとシャチの相互作用に関する国際的なデータベースを作成するプロジェクトの一員でもあるフリンダース大学のマイヤーは、「シャチはとても神秘的な動物だ。われわれがシャチに接する機会があまりないからだ」と話す。
「あまり見られない動物であるし、群れやエコタイプ(特定の環境条件に適応した個体群)によって行動がかなり異なるため、シャチ全体について何らかの結論を導き出すのは難しい」
(翻訳:ガリレオ)
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら