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中国経済の「低迷」は終わりが見えず...それでも、習近平体制は「ビクともしない」と言えるワケ

NOT ABOUT TO GO AWAY

2023年10月11日(水)18時47分
周景顥(ホバート・アンド・ウィリアム・スミス・カレッジ准教授)

「胡錦濤の死」に備える?

同様に、習近平が中国のゴルバチョフになることを多くの人が期待したが、習は中国を「赤」の時代に引き戻した。ゴルバチョフについて習は、祖国を売り渡して国民に災難をもたらした裏切り者と糾弾した。そして今は、アメリカとその同盟国に対抗するロシアを支持している。

ここに簡潔な真実がある。中国共産党のトップに立つ者は党によって生み出され、党の利益を代表しなければならず、つまりは誰でも根本的に同じなのだ。

間違いなく多くの中国人が、習体制への信頼を失いつつある。しかし、中国の中流階級は党の政策の最大の受益者であり、現状では党に反旗を翻そうとはしない。

現実を見れば、大規模な運動を引き起こしそうな火種はない。共産党政権下で起きた大規模な民主化運動には、1976年の四・五天安門事件と89年の六・四天安門事件がある。それぞれ周恩来と胡耀邦の死が引き金となったが、いずれも人民の利益を代表する人物として愛されていた。

中央政府が胡錦濤の死に備えているという臆測もある。ただし、近い将来に胡が死んでも、習体制に反対する大規模な政治運動を引き起こすほどの影響はないだろう。

さらに、22年の第20回党大会以降、党上層部から習以外の派閥はほぼ一掃された。党の最高意思決定機関である政治局常務委員は、習以外の6人は習の側近だ。習に反旗を翻そうという者も、習に取って代わる力がある者もいない。

習体制が、中国の経済発展の停滞を理由に終わることはなさそうだ。習の失脚の可能性を過度に強調しても、アメリカの国益に資するものではない。それどころか共産党に、アメリカに対抗するために自ら刷新しようという動機を与える。それがアメリカを自己満足に陥らせ、新たな「アメリカの世紀」を築く機会を逸することになりかねない。

From thediplomat.com

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