最新記事
国慶節

「国慶節」ではしゃぐ中国を後目に、海外では中国建国の日が「嘆きの日」に

China's National Day Met with Worldwide 'Day of Mourning' Protests

2023年10月3日(火)19時46分
ミカ・マッカートニー

国慶節前、人民大会堂で記念の夕食会に臨む習近平(9月28日、北京) Jade Gao/REUTERS

<10月1日の国慶節、西側の主要都市では中国の人権侵害に抗議するデモが行われた>

<動画>外相解任前、「不倫」相手のインタビューを受けていた秦剛

中国の建国74周年を祝う「国慶節」にあたる10月1日、香港などの民主派活動家が、この日を「嘆きの日」として、世界各地の主要都市に結集して抗議活動をおこなった。

米国に拠点を置く「香港民主委員会」は、ロンドン、サンフランシスコ、東京などの各地でおこなった中国共産党に抗議するデモの写真をソーシャルメディア上に投稿。中国北西部の新疆ウイグル自治区における中国の人権侵害に抗議するウイグル人活動家らも参加した。

香港では、中国政府を後ろ盾とする当局が取り締まりを開始した2019年以降、基本的自由権が急速に蝕まれている。

「国境をまたぐ弾圧」

ニューヨークを拠点とする民主派活動家たちは、中国国外でも当局に監視されるなど、中国共産党による自由な社会の侵害を焦点とする展示会を開催した。ここ数年の間に中国から逃れてきた香港とウイグルの活動家たちは、自分たちが中国政府による威嚇行動の標的になっていると話している。米司法省はそうした活動を「国境をまたぐ弾圧」と表現している。

ロンドンでは、「チベット人は自由を求めている」「中国共産党に抵抗する」などと書かれたプラカードを掲げたデモ隊の写真が撮影された。ワシントンDCでは、デモ参加者たちが「ウイグル人大虐殺をやめろ」というメッセージが書かれたTシャツを着た。新疆ウイグル自治区の多数を占めるイスラム教徒に対して中国政府が長年おこなっている大量収容・再教育を批判しての行動だ。

香港の元学生活動家で、現在はロンドンを拠点とする羅冠聰(ネイサン・ロー)は、2016年9月に選挙で当選し、香港立法会で史上最年少の議員となった人物だが、2020年に中国政府寄りの香港当局から逃れて亡命した。そのローによれば、2020年6月の香港国家安全維持法(国安法)施行以来、香港における自由の状況は悪化し続けている。

「政治的自由、言論と集会の自由は幻想にすぎず、そうした権利を行使したかどで逮捕される人が増えている」とローは本誌に話した。

10月1日、中国の兵士たちが天安門広場で国旗掲揚式をおこなっていたころ、香港では、ショッピングエリア銅鑼湾で黒い服を着たひとりの男性が乱暴に逮捕される様子をとらえた動画が浮上した。男性は白い花を掲げていたという。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア軍、ウクライナ東部要衝を完全制圧か 2年以上

ビジネス

石破首相が植田日銀総裁と会談、午後5時45分から=

ワールド

石破政権発足で中国主席から祝辞、官房長官「前向きな

ワールド

日米地位協定改定、首相の考え踏まえ望ましいアプロー
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大谷の偉業
特集:大谷の偉業
2024年10月 8日号(10/ 1発売)

ドジャース地区優勝と初の「50-50」を達成した大谷翔平をアメリカはどう見たか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 2
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開
  • 3
    ジェットスキーのロシア兵を、FPVドローンが「排除」...背後から追跡、爆発するまでの緊迫映像をウクライナが公開
  • 4
    KATSEYEが韓国ハイブと米ゲフィンの手でデビュー、K…
  • 5
    欧州でも「世紀の豪雨」が町を破壊した...100年に1度…
  • 6
    8日間のはずが8カ月に...宇宙飛行士の「足止め騒動」…
  • 7
    【クイズ】「愛人」は中国語でどういう意味?
  • 8
    イランがイスラエルに報復できる手段は限られている…
  • 9
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 10
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 1
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ日本の伝統文化? カギは大手メディアが仕掛ける「伝検」
  • 2
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はどこに
  • 3
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する「ロボット犬」を戦場に投入...活動映像を公開
  • 4
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
  • 5
    ワーテルローの戦い、発掘で見つかった大量の切断さ…
  • 6
    白米が玄米よりもヘルシーに
  • 7
    50年前にシングルマザーとなった女性は、いま荒川の…
  • 8
    中国で牛乳受難、国家推奨にもかかわらず消費者はそ…
  • 9
    【クイズ】「バッハ(Bach)」はドイツ語でどういう…
  • 10
    欧州でも「世紀の豪雨」が町を破壊した...100年に1度…
  • 1
    「LINE交換」 を断りたいときに何と答えますか? 銀座のママが説くスマートな断り方
  • 2
    「まるで別人」「ボンドの面影ゼロ」ダニエル・クレイグの新髪型が賛否両論...イメチェンの理由は?
  • 3
    森ごと焼き尽くす...ウクライナの「火炎放射ドローン」がロシア陣地を襲う衝撃シーン
  • 4
    「もはや手に負えない」「こんなに早く成長するとは.…
  • 5
    エリート会社員が1600万で買ったマレーシアのマンシ…
  • 6
    中国の製造業に「衰退の兆し」日本が辿った道との3つ…
  • 7
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 8
    国立西洋美術館『モネ 睡蓮のとき』 鑑賞チケット5組…
  • 9
    北朝鮮、泣き叫ぶ女子高生の悲嘆...残酷すぎる「緩慢…
  • 10
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中