迂闊に近づくと死ぬ!ロシア西部に降るウクライナの「自己破壊ドローン」
'Air Regiment Leaders' Killed as Drone Self-Destructs on Russian Airfield

ドローンを飛ばすウクライナ兵士(8月17日、南部ザポリージャ州) REUTERS/Viacheslav Ratynskyi
<滑走路に降りた一見無害なドローンを調べようと近づいたロシア空軍の人員に、将校を含む死者が出た。ウクライナの新たな戦術に気をつけろと、ロシアが警戒を高めている>
【動画】米、ロシアの「あおり運転」戦闘機によるドローン衝突の映像公開
ロシア空軍の飛行場に着陸したウクライナ軍のドローンが、何も悪さをしないので野次馬が調べに集まったところで自己爆発した。巻き込まれた犠牲者の中には、ロシア軍の将校たちも含まれていたと報じられている。
ウクライナ情報機関関係者の話によると、ロシア西部の町クルスクから約8キロの距離にあるハリノ空軍基地の滑走路で、ドローンが爆発したという。この基地には、ロシア空軍の第14親衛戦闘機航空連隊が駐留し、スホーイSu-30SM戦闘機も配備されている。
ウクライナのドローンが滑走路に一見「安全に」着陸したのを見て、ロシア空軍およびロシアの諜報機関であるロシア連邦保安庁(FSB)の将校たちが近づいてきた、とウクライナのメディア「RBCウクライナ」は9月25日に伝えた。
「彼らが思わぬ『戦利品』を検分しようとしたところで、ドローンが爆発した」と、ウクライナ側の情報筋はRBCに伝えた。犠牲者の中には「航空連隊の指揮官たち」も含まれていたという。
RBCの報道によると、この爆発で死亡あるいは負傷した者の中には、第14航空連隊の司令官、副司令官の1人、複数名の空軍将校、FSBの将校1人、空港職員1人が含まれていた。
発見して40分後に爆発した例も
ロシアの軍事ブロガー、ボリス・ロジンはテレグラムへの投稿で、ハリノ空軍基地に「サプライズ無人機」が着陸し、「死者」が出たと報告している。
「これまでも、敵は同様の戦術を用いてきた」とロジンは指摘。すでに複数のドローンが着陸後に爆破処理されているとした上で、「敵軍のドローンは慎重に取り扱わなければならない」と述べた。
ロシア治安当局系列のテレグラム・チャンネル「バザ」も、最近になって同様の攻撃を報告している。9月16日には、モスクワの南にあるヴォロネジ州の農場に飛来したドローンが着地した後爆発したと伝えた。
バザは、ロシア国防省が「テロ攻撃の道具」と呼ぶこのドローンが、バス停近くの農地に落ちている画像を複数投稿した。またクルスク州の町リゴフにある、今は使われていない給油施設の近くで発見されたドローンは「40分後」に爆発したと述べている。
「ウクライナ軍は、自己破壊するドローンを放ち始めた」と、バザは警告した。