黒海艦隊「提督」の軽過ぎた「戦死」の裏に何があったのか
Russian admiral's death is "remarkable" for Ukraine: Ex-NATO commander
米シンクタンク「ディフェンス・プライオリティーズ」の欧州防衛問題専門家であるラジャン・メノンは本誌に対して、「ソロコフ提督の死亡が確認されれば、少なくとも2つの点で注目に値する」と述べた。「第一に、ロシアはこの戦争で既にかなりの数の将校を失っており、今回もそうだということ。ウクライナ側の発表ではソコロフのほかにも33人の将校が死亡している。1日の損失としては相当なものだ」
「第二のさらに重要な点は、ソコロフが死亡したとされる22日のセバストポリ(黒海艦隊の基地がある軍港都市)への攻撃の数日前から、ウクライナはクリミアの軍事標的に何度も攻撃を行っていたということだ。それを考えると、たとえ必要不可欠で緊急を要するものだったとしても、クリミア半島の一カ所にこれほど多くの将校を集めたのは不可解だ。リスクは予測できたはずなのに」
ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、クリミア半島はロシア海軍にとって戦略的な価値があるという意味でも、ウクライナ政府が奪還を目指しているという意味でも、ウクライナ軍にとって主要な標的となっている。ロシアは2014年に一方的にクリミア半島を併合。国際社会はこれを非難し、併合を認めていない。