ウクライナ支援にほころび? ポーランド首相、農産物巡る対立で「武器支援停止」と発言
ポーランドのモラウィエツキ首相。ワルシャワで7月撮影(2023年 ロイター/Kacper Pempel)
ポーランド政府報道官は21日、ウクライナに対して新たな武器の供給を行わない考えを示した。
ポーランドはこれまでロシアの侵攻を受けるウクライナを強力に支援してきたが、ウクライナ産穀物の欧州への輸入規制問題を巡り同国と対立を深めている。
モラウィエツキ首相は20日、ウクライナへの武器供与を止めて、自国の軍備を増強すると発言した。
ミュラー報道官も21日、ウクライナとこれまで合意した弾薬と武器の供与のみを行うと説明した。
サシン国家資産相はモラウィエツキ首相のコメントについて「現時点では首相が述べた通りだ。将来的にはどうなるか分からない」と述べた上で、穀物輸入を巡る問題は、ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援をポーランドが止めたことを意味するのではないと説明。ポーランドは自国の武器備蓄を拡充する必要があると述べた。
ポーランドでは10月15日に総選挙を控えているが、与党「法と正義」はウクライナへの従属的姿勢を極右勢力から批判されている。
世論調査では、反ウクライナ感情を代弁してきた「コンフェデレーション」が支持率で3位に浮上している。アナリストは与党のウクライナへの厳しい姿勢について、コンフェデレーションが支持を広げていることへの対応だと指摘する。