モロッコ地震の少し前、上空に現れた青い閃光の正体は
Mysterious Blue Glow Seen in Sky over Morocco Moments Before Deadly Quake
モロッコ地震で被災した家(9月13日)REUTERS/Evelyn Hockstein
<モロッコ地震の前に空に現れた青い閃光は何かの予兆か、それとも?>
マグニチュード6.8の大規模地震に襲われたモロッコで、地震が起きた9月8日の午後11時ごろ、空に謎めいた青い閃光が目撃され、SNSで話題になっている。
モロッコ国営メディアの報道では、9月11日現在、死者は2600人を超え、2500人が負傷したとされている。犠牲者はさらに増える見込みだ。米地質調査所(USGS)によれば、モロッコやその周辺では、この規模の地震は120年以上起きていなかったという。
ユネスコ世界遺産に登録されている人気観光地マラケシュの旧市街も被害を受けた。
動画は、震源となったアトラス山脈の南西の都市アガディールの監視カメラで撮られたもの。地震が襲う少し前に、街の上空に見慣れない青い光が何度か閃く様子が映っている。
この動画を投稿したサウジアラビアのインフルエンサー、イヤド・アルハムードによると、動画はアガディールの住人から送られてきたものだという。
「謎めいた青い閃光が地平線上に現われた。それが何なのか、誰にもわからない」。アルハムードはそうコメントする。「誰か説明できる人はいる?」
地震の際に謎めいた光が上空で目撃されるのは、これが初めてではない。
USGSによれば、それは「地震光」と呼ばれるもの。地震のときに報告される幕状電光(空・雲への反射で空全体が明るくなること)、球電(帯電し発光する球体が大気中を浮遊する物理現象)、繊維状のストリーマ放電、一定時間続くグロー放電(オーロラ状の光)などの総称だ。
比較的まれではあるが、大気中での発光現象は、メキシコやトルコ・シリアで起きた最近の地震でも目撃された。
地震光の原理は長らく専門家を悩ませており、意見が一致していない。地球物理学的な説明する人もいるし、それに疑問を呈する人もいる。
USGSはウェブサイト上で、「地震前後および震源地付近で報告された通常とは異なる発光現象が実際に地震光にあたるかにどうかついては、地球物理学者によって考え方が異なる」と述べている。「報告のすべてを疑問視し、地震光の証拠にはならないとする者もいれば、少なくとも一部の報告は地震光に相当すると考える者もいる」
今回の動画については、UFO目撃証言や「空の異常現象」のファクトチェックをしているXアカウント「ufoofinterest.org」が、動画付きで独自の「種明かし」をしている。「あの青い閃光は、地震などのときにたびたび報告されている。原因は変圧器の爆発だ」
(翻訳:ガリレオ)