最新記事
ロシア

プリゴジン死亡か、ロシア墜落機に搭乗 プーチンによる粛清?

2023年8月24日(木)10時13分
ロイター
民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン

ロシア当局は、首都モスクワの北方で同日夕に墜落したプライベートジェット機の搭乗者リストにロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏が記載されていたと発表した。8月21日に公表されたプリゴジン氏の動画(2023年 ロイター/Courtesy PMC Wagner via Telegram via REUTERS)

ロシア当局は23日、ロシアの首都モスクワの北方で同日夕に墜落したプライベートジェット機の搭乗者リストにロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏が記載されていたと発表した。ロシアのタス通信が報じた。

その後、ロシア民間航空局はプリゴジン氏および同氏の右腕であるドミトリー・ウトキン氏を含む乗客7人と乗組員3人が事故機に搭乗していたと確認した。情報によると、生存者はいないもよう。

また、テレグラム上のワグネル関連チャンネルは「ワグネル・グループのトップで、ロシアの英雄かつ祖国の真の愛国者であるエフゲニー・プリゴジン氏が死亡した」と発表し、「ロシアの裏切り者」の手によるものという認識を示した。

ロイターは、プリゴジン氏が墜落したジェット機に搭乗していたかどうかを現時点で確認できていない。

ロシア国防省および大統領府(クレムリン)からも現時点でコメントは出ていない。

ロシア当局の声明によると、ジェット機はモスクワからサンクトペテルブルグに向かっていた。

プリゴジン氏は21日、アフリカで撮影されたとみられる動画を投稿していた。

ロシアメディアによる未確認の報道によると、プリゴジン氏と同氏の右腕であるウトキン氏らはロシア国防省当局者との会合に出席していたという。

ロシア通信(RIA)によると、ジェット機の墜落現場で8人の遺体が見つかった。現場での捜索救助活動は続いているという。

プリゴジン氏が飛行機事故で死亡した可能性があるという報道について、バイデン米大統領は「実際に何が起きたか分からないが、驚かない」とし、「ロシアで起きることで、プーチン氏が関与していないことはあまりないようだ」という考えを示した。

過去に事故は1度だけ、墜落機は安全な機種

ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏が搭乗していたとみられる自家用ジェット機が墜落した事故で、墜落機「エンブラエル・レガシー600」の同型機が2002年の導入以降、1度しか事故を起こしていなかったことが専門サイト「国際航空HQ」で分かった。

06年に起きた空中の衝突事故も機体の異常ではなく乗員のミスが原因で、死傷者は出なかったという。

ロシア当局は23日、首都モスクワの北方で同日夕に墜落したプライベートジェット機の搭乗者リストにプリゴジン氏が記載されていたと発表した。

ブラジル航空機大手エンブラエルは23日、墜落事故について承知しているが追加で発表すべき情報はないとした。また、国際的な対ロシア制裁に従い、19年以降、墜落機の保守点検業務を行っていなかったと明らかにした。

世界の航空機を追跡している「フライトレーダー24」によると、プリゴジン氏が搭乗していたとみられるジェット機(機体記号RA─02795)は現地時間午後6時11分(日本時間24日午前0時11分)に追跡不能となった。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

自動車
DEFENDERの日本縦断旅がついに最終章! 本土最南端へ──歴史と絶景が織りなす5日間
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

マスク氏、近く政権離脱か トランプ氏が側近に明かす

ビジネス

欧州のインフレ低下、米関税措置で妨げられず=仏中銀

ワールド

米NSC報道官、ウォルツ補佐官を擁護 公務でのGメ

ワールド

トランプ政権、輸入缶ビールに25%関税賦課 アルミ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台になった遺跡で、映画そっくりの「聖杯」が発掘される
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    イラン領空近くで飛行を繰り返す米爆撃機...迫り来る…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    博士課程の奨学金受給者の約4割が留学生、問題は日…
  • 9
    【クイズ】アメリカの若者が「人生に求めるもの」ラ…
  • 10
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 9
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 10
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中