犬を「逆さ吊り」にし、頭を道路に引きずりながら走るバイクを撮影...あまりの非道に批判殺到
写真はイメージです N K/SHUTTERSTOCK
<フィリピンの動物愛護協会は動画に映っていた兄弟を刑事告訴したが、2人は「犬はもともと死んでいた」と主張している>
フィリピンで、バイクに乗った男2人組が犬を逆さまに持ったまま、道路に引きずりながら走行する様子の動画が拡散され、動物愛護団体などから非難が噴出している。
■【動画】「残酷すぎる!」と怒りの声が続出...犬を逆さ吊りにし、頭を引きずって走るバイク
フィリピンのニュースメディアABS-CBNによると、首都マニラ南方のラグナ州サンパブロ市の幹線道路で、犬を引きずっている様子を撮影された兄弟を地元当局が発見し、事情聴取した。
兄弟は当局に対し、バイクで運んでいた時には犬はすでに死んでおり、その後、川に捨てたと話している。兄弟の主張によれば、犬は道路でトラックにひかれて死亡したのだという。彼らは自分たちを愛犬家であるとし、動物を故意に傷つけたという疑いを否定している。
しかし、フィリピンの動物愛護団体は兄弟の説明に納得せず、彼らを刑事告訴した。アニマル・キングダム財団のプログラムディレクターであるハイディ・カギオアはCNNフィリピンに対し、兄弟は国の動物福祉法に違反した疑いがあると話している。
「(動物福祉法は)動物に対する虐待や残酷な行為を禁止している」とカギオアは述べ、「犬を引きずるのは虐待だ。ペットを愛する人の行為ではない」と批判した。カギオアはまた、犬やその他の動物を「人道的に、思いやりと敬意を持って」扱うよう人々に呼びかけた。
今年2月には犬を殺して食べた3人を起訴
フィリピンでは今年2月、マニラ北方のパンパンガ州アンヘレス市で、食用のために犬を殺した疑いで3人が起訴された。容疑者らは、犬を殺し、酒を飲みながらその肉を食べたとされる。
アンヘレス市長の主席顧問であるI・C・カラグアスは、フィリピンのニュースサイト「ラップラー」に対し、食用目的で犬を殺すことは犯罪であり、そうした行為は「野蛮で粗野であり、非人道的」だと述べた。同市では、犬の売買や屠殺、加工を取り締まる条例案が提出されている。
国会でも、マーク・ビリヤール上院議員が、飼い主のいない動物の里親になった場合に税制上の優遇措置を与える法案を提出した。国営フィリピン通信によると、この法案は、飼い主がいない動物の問題を解決することを目的としている。
ビリヤール議員は、ケソン市獣医局のデータとして、同市では飼い主のいない動物が週平均200匹収容されていると指摘している。しかし、そうした動物の引き取り率は1%にも満たない。収容された動物は、農務省の規定により安楽死させられる可能性がある。