最新記事
動物

犬を「逆さ吊り」にし、頭を道路に引きずりながら走るバイクを撮影...あまりの非道に批判殺到

2023年7月1日(土)13時23分
ケント・マシン
野良犬イメージ写真

写真はイメージです N K/SHUTTERSTOCK

<フィリピンの動物愛護協会は動画に映っていた兄弟を刑事告訴したが、2人は「犬はもともと死んでいた」と主張している>

フィリピンで、バイクに乗った男2人組が犬を逆さまに持ったまま、道路に引きずりながら走行する様子の動画が拡散され、動物愛護団体などから非難が噴出している。

■【動画】「残酷すぎる!」と怒りの声が続出...犬を逆さ吊りにし、頭を引きずって走るバイク

フィリピンのニュースメディアABS-CBNによると、首都マニラ南方のラグナ州サンパブロ市の幹線道路で、犬を引きずっている様子を撮影された兄弟を地元当局が発見し、事情聴取した。

兄弟は当局に対し、バイクで運んでいた時には犬はすでに死んでおり、その後、川に捨てたと話している。兄弟の主張によれば、犬は道路でトラックにひかれて死亡したのだという。彼らは自分たちを愛犬家であるとし、動物を故意に傷つけたという疑いを否定している。

しかし、フィリピンの動物愛護団体は兄弟の説明に納得せず、彼らを刑事告訴した。アニマル・キングダム財団のプログラムディレクターであるハイディ・カギオアはCNNフィリピンに対し、兄弟は国の動物福祉法に違反した疑いがあると話している。

「(動物福祉法は)動物に対する虐待や残酷な行為を禁止している」とカギオアは述べ、「犬を引きずるのは虐待だ。ペットを愛する人の行為ではない」と批判した。カギオアはまた、犬やその他の動物を「人道的に、思いやりと敬意を持って」扱うよう人々に呼びかけた。

今年2月には犬を殺して食べた3人を起訴

フィリピンでは今年2月、マニラ北方のパンパンガ州アンヘレス市で、食用のために犬を殺した疑いで3人が起訴された。容疑者らは、犬を殺し、酒を飲みながらその肉を食べたとされる。

アンヘレス市長の主席顧問であるI・C・カラグアスは、フィリピンのニュースサイト「ラップラー」に対し、食用目的で犬を殺すことは犯罪であり、そうした行為は「野蛮で粗野であり、非人道的」だと述べた。同市では、犬の売買や屠殺、加工を取り締まる条例案が提出されている。

国会でも、マーク・ビリヤール上院議員が、飼い主のいない動物の里親になった場合に税制上の優遇措置を与える法案を提出した。国営フィリピン通信によると、この法案は、飼い主がいない動物の問題を解決することを目的としている。

ビリヤール議員は、ケソン市獣医局のデータとして、同市では飼い主のいない動物が週平均200匹収容されていると指摘している。しかし、そうした動物の引き取り率は1%にも満たない。収容された動物は、農務省の規定により安楽死させられる可能性がある。


展覧会
京都国立博物館 特別展「日本、美のるつぼ」 鑑賞チケット5組10名様プレゼント
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

IT大手決算や雇用統計などに注目=今週の米株式市場

ワールド

バンクーバーで祭りの群衆に車突っ込む、複数の死傷者

ワールド

イラン、米国との核協議継続へ 外相「極めて慎重」

ワールド

プーチン氏、ウクライナと前提条件なしで交渉の用意 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドローン攻撃」、逃げ惑う従業員たち...映像公開
  • 4
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 5
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 6
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 7
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 8
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 4
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 8
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 9
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 10
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中