ワグネルは撤収と見せかけてクーデーターの機会を狙っている──元ロシア軍情報部門将校
Wagner Head Provoking 'Open War' With Kremlin Forces: Ex-Russian Commander
バフムトから撤収する途中のワグネル部隊とプリゴジン(手前)(6月1日)Press service of "Concord"/Handout/REUTERS
<バフムトからの撤収ルートにロシア軍が「地雷を仕掛けた」と怒るプリゴジンだが、そういう言いがかりこそ反乱を起こす>
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元ロシア軍情報部門将校のイーゴリ・ギルキンは6月4日、民間軍事会社ワグネルがロシア軍との対決を準備していると改めて批判した。
ギルキンはかつて、ウクライナ東部ドンバス地方で親ロシア派武装勢力を率いてウクライナ政府軍と戦っていたことで知られる人物だ。今ではロシアナショナリズムを掲げた軍事ブロガーとして活動している。その彼が先週、ワグネルを率いるエフゲニー・プリゴジンがロシア政府へのクーデターを計画していると非難した。プリゴジンはこれまで、ウクライナに侵攻しているロシア軍を批判する発言を繰り返してきた。
ワグネルはウクライナ東部の都市バフムトの攻防戦で大きな存在感を示した。プリゴジンはバフムト中心部の「制圧」を宣言し、ワグネル部隊をロシアへ撤収させてロシア正規軍と交替すると発表した後も、ロシア軍のバフムトでの戦いぶりを強く非難するとともに、ウクライナ侵攻全体が失敗だったと述べていた。
この声明を受けてギルキンは、プリゴジンがワグネルの帰国に合わせてロシア政府に対し反乱を起こす計画を立てていると非難した。
撤収ルートに「大量の爆薬」
ウクライナ侵攻関連の情報を英語に訳すプロジェクト『ウオートランスレイティッド』が転載した動画によれば、「もしプリゴジンがワグネルのトップであり続けるなら、反乱は近いうちに激しい形で起きるだろう」と、ギルキンは述べた。「クーデターは既に宣言されている。次に何が起きるかは分からないが、ワグネルが後方基地に急いで撤収しているのは怪しい。クーデターが近く起きる危険は明らかに存在する」
2日、プリゴジンは声明を出し、ワグネルがバフムトからの撤収に使うルートにロシア軍が地雷を敷設していると非難した。
「(バフムトから)出る直前に、われわれは撤収ルートに沿って怪しい活動が行われていることを察知した」とプリゴジンは述べた。「十数カ所からそれぞれ数十の爆発物を発見した。数百基の対戦車地雷に、何トンものプラスチック爆弾......。敵軍を防ぐためにそんなものを敷設する必要はない。敵はもはや前線からすべて退いているのだから。これらの爆発物はワグネルを狙ったものだ」