最新記事

ネット

暴飲暴食のライブ配信で儲ける中国人インフルエンサーの一人が死亡。「犯人」探しが始まった!

TikTok Owner Under Pressure in China Over Death of Influencer

2023年5月30日(火)18時25分
ジョン・フェン

こうしたがぶ飲みや大食いのライブ配信が人気の中国  Goldthread/YouTube

<金儲けのために、大食いやがぶ飲みをライブ配信することが流行っている中国で、アルコール度数最高60度の白酒を7本飲み干した男が死に、プラットフォーマー管理責任が問われ出した>

【動画】がぶ飲みで死んだと見られる男

「TikTok」と、その中国本土版「抖音(ドウイン)」を運営するバイトダンス(ByteDance)をはじめとする企業に対して、金稼ぎ目的のユーザーの無謀行為を厳しく取り締まるよう求める圧力が強まっている。5月16日に、中国国内のあるインフルエンサーが、ライブ配信中に酒を飲みすぎて死亡したとされる事件を受けてのことだ。

中国の輸出品としてもっとも成功を収めているTikTokについては、米国でも、国家安全保障上の懸念をめぐる調査が進行している。だが中国国内では、北京を拠点にするバイトダンスが、同社が中国国内で所有する抖音に関連して、公共的な問題や、民事的な問題に直面している。

ワンという姓しか明かされていない抖音のインフルエンサー(34)が、ライブ配信の約12時間後に自宅で死亡しているところを発見されたあと、オンラインコンテンツを監視するプラットフォームの責任について新たな論争が巻き起こった。ワンはライブ配信中に、アルコール度数が最高60%の蒸留酒「白酒(バイジウ)」を7本飲み干したとされている。

がぶ飲みは儲かる

ワンは中国東部の江蘇省・連雲港の出身で、SNS上では「Sanqiange(サンチェンガ)」を名乗っていた。現地の報道によれば、ワンは他のインフルエンサーたちと、視聴者からの寄付金を賭ける飲酒対決に参加していたという。配信は、5月16日の真夜中に終わったと伝えられている。

「大食いショー」や「カブ飲みショー」と呼ばれるライブ配信コンテンツは、10年ほど前から韓国で人気を博し、「YouTube」や「Twitch」などのウェブサイトで流行した。アルコールなどの有害な物質が絡むことは少ない。

中国では、抖音や、競合する「快手(クアイショウ)」などのアプリの家族向けバージョンの配信が容認されているが、中国のインターネット監視当局は、少なくとも2年前から、これを規制しようと試みている。 

インフルエンサーは食べ物や飲み物のメーカーとアフィリエイト契約を結んでいることもあり、注目を集めれば儲かる商売になる。中国の投資コンサルティング会社シンダ・セキュリティーズが3月に発表したレポートによれば、ライブ配信・Eコマース業界の市場規模は2022年に推定4000億ドルを超えたという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

岸田首相、「グローバルサウスと連携」 外遊の成果強

ビジネス

アングル:閑古鳥鳴く香港の商店、観光客減と本土への

ビジネス

アングル:中国減速、高級大手は内製化 岐路に立つイ

ワールド

米、原発燃料で「脱ロシア依存」 国内生産体制整備へ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    外国人労働者がいないと経済が回らないのだが...... 今も厳しい差別、雇用許可制20年目の韓国

  • 2

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受ける瞬間の映像...クラスター弾炸裂で「逃げ場なし」の恐怖

  • 3

    こ、この顔は...コートニー・カーダシアンの息子、元カレ「超スター歌手」に激似で「もしや父親は...」と話題に

  • 4

    翼が生えた「天使」のような形に、トゲだらけの体表.…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    単独取材:岸田首相、本誌に語ったGDP「4位転落」日…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    ウクライナがモスクワの空港で「放火」工作を実行す…

  • 9

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 10

    マフィアに狙われたオランダ王女が「スペイン極秘留…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 5

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 6

    屋外に集合したロシア兵たちを「狙い撃ち」...HIMARS…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 9

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 10

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

  • 10

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中