反プーチンロシア人武装集団が、ベルゴロドで逃げ惑うロシア兵の動画を拡散
Russian Defectors Say Putin's Troops 'Hiding in Panic' in Belgorod
ウクライナ東部ドネツク州の前線で戦う「自由ロシア軍団」の兵士たち(3月21日) U.S. Air Force/Justin Connaher/ REUTERS
<ウクライナと国境を接するロシアの村が攻撃された事件で、犯行を主張する反プーチンロシア人武装集団が攻撃の模様を写した動画をネットに投稿。ロシア軍のふがいなさをアピールしている>
ウラジーミル・プーチン大統領のウクライナ侵攻に反対し、ウクライナ側で戦うロシア人組織「自由ロシア軍団」は、ロシア領内で攻撃を受けたロシア軍兵士が逃げ隠れする様子を映した動画を公開した。
【動画】ロシア治安部隊と自由ロシア軍団の戦闘の様子...ベルゴロド攻撃の「戦利品」
テレグラム・チャンネルに投稿されたこの動画は、ウクライナ領からロシア領のベルゴロド州を攻撃する作戦の最初の映像で、「プーチンの軍隊の臆病さとプロとしての資格の欠如を証明する」という説明がつけられている。
自由ロシア軍団は22日にウクライナと国境を接するロシア西部ベルゴロド州の村を占拠したと発表した。ロシア側は、この攻撃はウクライナ側の「破壊工作グループ」によって行われたと主張している。
別の反ロシア民兵組織「ロシア義勇軍」も犯行声明を出したが、ウクライナはこの攻撃への関与を否定している。
投稿された動画は、長さ1分52秒。空から地上を俯瞰する映像から始まり、「ベルゴロド地方」とキャプションが付けられている。その後、軍団のメンバーらしき人物が乗った軍用車の車内に切り替わる。車がどこを走っているかは明らかではない。
ドローンによる空からの映像は、歩兵戦闘車を映し出し、「敵のBMP-2(歩兵戦闘車)」という説明が入る。その後、現れる住宅の映像には、ロシア軍機動中隊の兵士が「廃屋が並ぶ住宅地で隠れる場所を探している」というキャプションがつけられている。
軍装備品と捕虜を獲得
「数の上で優位に立ち、自国の慣れた土地で行動しているにもかかわらず、ロシア軍の兵士たちは、パニックに陥って階段やフェンスの陰に隠れた」と、テレグラムの投稿は述べている。
この動画は、ロシア軍兵士が隠れた場所への砲撃と、ロシア軍の装備への攻撃を示すとされる。
「連中はかくれんぼをしようとしていたが、こちら側の砲手はずっと上手だ」と、投稿の文章は続く。この映像に映っている「破壊され、損傷したロシア軍の装備は、もはやウクライナの都市を破壊するために走り回ることはなくなるだろう」
この動画は第三者によって検証されたものではない。本誌はロシア国防省に連絡してコメントを求めている。
ロシア当局は24日までに事態を収拾したと主張しているが、自由ロシア軍団は作戦の成功と、大量の軍装備品と捕虜を獲得したことを発表した。
「われわれは戻ってくる。ブリャンスク、クルスク、ボロネジ、ロストフ、モスクワ、待っているがいい」と、軍団は25日にテレグラムに投稿した。
この事件の前に、ベルゴロド州にあるロシア内務省の建物がドローン攻撃を受けたと報じられている。オンラインニュースメディア「バザ」は、26日にドローンがメイスキー村の移民局ビルに爆発物を投下したと報じた。
一方、同日未明、ベルゴロド州のビャチェスラフ・グラトコフ知事は、無人機から投下された爆発物が国営エネルギー大手バスプロムの建物を損傷させたと発表した。