最新記事
米中対立

南シナ海上空で中国戦闘機J-16が米偵察機の鼻先をかすめる「攻撃的」行動 

2023年5月31日(水)10時51分
ロイター
中国の「J─16」戦闘機

米インド太平洋軍司令部は、中国の「J─16」戦闘機1機が先週、南シナ海の国際空域で米空軍偵察機「RC─135」のすぐ近くで「不必要に攻撃的な」行動を仕掛け、RC─135はそれによって乱された気流の中を飛行せざるを得なくなったと明らかにした。6abc Philadelphia / YouTube

米インド太平洋軍司令部は30日、中国の戦闘機「J─16」が先週、南シナ海上空の国際空域で米空軍偵察機「RC─135」に対して「不必要に攻撃的な」行動を仕掛け、RC─135がそれによる後方乱気流の中を飛行せざるを得なくなったと明らかにした。

公開された動画には、J─16に鼻先をかすめられたRC─135の操縦室が乱気流で揺れている様子が映っている。

同司令部は声明で「米国は国際法で許されたいかなる場所でも引き続き、安全かつ責任ある形で航空機の飛行や艦艇の航行を行う」と主張した。

在ワシントン中国大使館の劉鵬宇報道官は詳細にはコメントせず、米国がかねてから中国に対する「至近距離の偵察を目的として頻繁に航空機・艦艇を動員してきた。これが中国の国家安全保障に重大な危険をもたらしている」と電子メールで指摘。

「危険な挑発と中国への責任押し付けをやめるよう米国に求める」と述べた。

また、中国が今後も断固として国家主権と安全保障を守るために必要な措置を講じるとし、南シナ海の平和と安定を確実に守るために地域の各国と協力すると強調した。

中国側は一貫して、米国が南シナ海に艦艇や航空機を送り込むのは地域の平和にとって好ましくないと表明している。

昨年12月にも国際空域で中国軍機が米空軍機に異常接近し、米軍側が回避行動を強いられる事態が発生。米政府の見解では、中国軍機による危険な行動がエスカレートしているという。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

税制
日本のモデルは「合理的」。安定財源として期待される「たばこ税」はどうあるべきか?
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

比大統領「犯罪計画見過ごせず」、当局が脅迫で副大統

ビジネス

トランプ氏、ガス輸出・石油掘削促進 就任直後に発表

ビジネス

トタルエナジーズがアダニとの事業停止、「米捜査知ら

ワールド

ロシア、ウクライナ停戦で次期米政権に期待か ウォル
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではなく「タイミング」である可能性【最新研究】
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 5
    寿命が5年延びる「運動量」に研究者が言及...40歳か…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 9
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 10
    「典型的なママ脳だね」 ズボンを穿き忘れたまま外出…
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 4
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたま…
  • 10
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 8
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中