イスラエル警察のモスク襲撃に始まった暴力がシリアに拡大、ネタニヤフの狙いは
Israel Launches Strikes on Syrian Targets as Tensions in Region Mount
イスラエル軍は9日未明にさらに2度目の空爆を行い、ロケット弾のうち2発がゴラン高原のイスラエル占領地に到達した。1発は迎撃され、2発目は空き地に着弾したという。
AP通信はまた、レバノンの衛星テレビ局アルマヤディーンの報道として、ダマスカスに拠点を置く親シリア政権派のパレスチナ人グループが8日、ミサイル3発を発射したと犯行声明を出したことを伝えた。
アルマヤディーンTVは「アルクドゥス旅団」と名乗る組織がアルアクサ・モスクへの襲撃に対する報復としてロケット弾を発射したと報じたが、AP通信によれば、この組織は、同名の大規模なパレスチナ・イスラム教武装組織とは異なる集団だという。
エルサレム旧市街にあるアルアクサ・モスクは、イスラム教で3番目に神聖な場所だ。そして、ユダヤ人にとって最も神聖な「神殿の丘」と同じ場所にある。
イスラエルの歴史家で、エクセター大学パレスチナ研究センターのイラン・パッペ所長は9日、本誌にこう語った。「ほとんどのメディアが見逃しているが、最も重要な事実は、現在のような攻撃の応酬が起きていなかったら、どうなっていたかということだ。イスラエル国内での反政府デモが激化し、頭脳と投資の流出がますます進み、エリート予備役の招集拒否が増えていただろう。これに加えて、アメリカとイスラエル間の緊張が高まり、国際舞台におけるイスラエルの孤立化が進むことになっていただろう」
今年はイスラム教のラマダンとユダヤ教の過越の祭、キリスト教のイースターの日程が重なっている。そのため、「ハラム・アッシャリーフ(神殿の丘)とアルアクサ・モスクに対する暴力的な襲撃で、反イスラエルの統一戦線ができることは明らかだった。それは逆にベンヤミン・ネタニヤフ政権の求心力回復に役立つ可能性がある。イスラエルのユダヤ人社会が結束を固めるうえで、小さな戦争ほど適切なものはない」
逆に「もしイスラエルで内戦が起きれば、75年間イスラエルの完全支配が続いたイスラエルとパレスチナのパワーバランスが変わる可能性もある」
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