放送禁止用語「戦争」も使用──ロシア国営メディアが「不満の声」の特集で政府批判
約束を守らないプーチンへの不満が報じられた MIKHAIL METZELーSPUTNIKーPOOLーREUTERS
<さまざまな理由を付けて補償を拒む当局。それに対して「こんなはずではなかった」と題した記事で兵士の不満をぶつける異例の事態に>
ウクライナでの戦闘中に負傷したにもかかわらず、プーチン大統領が約束した補償を受け取れていない。
ロシアの国営通信RIAノーボスチが3月28日、「こんなはずではなかった」と題した記事で兵士らの不満の声を特集し、同国メディアとしては異例の政府批判を繰り広げた。
ロシアでは昨年3月、軍に関する「フェイクニュース」を拡散した者に最高15年の実刑を科す法律が成立し、反プーチンの言説への弾圧が強化された。
「戦争」という表現も禁じられ、メディアは「特別軍事作戦」と称してきたが、今回の記事では「戦争」が用いられた。
プーチンは侵攻開始の1週間後、負傷者に300万ルーブル(約500万円)の補償を約束し、死傷者の家族を支えるのは国家の「義務」だと述べた。
だが死傷者が増加するなか、昨年5月には補償の条件を厳格化。取材に応じた兵士らは、当局がさまざまな理由を付けて補償を拒んでいると訴えた。
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