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ウクライナの大規模反転攻勢はすぐにも始まる?

Ukraine's Counteroffensive Could Be Very Near

2023年4月18日(火)19時07分
エリー・クック

米国防総省から流出してインターネット上に出回っている文書には、ウクライナによる反転攻勢への支持や計画などが含まれていたとされている。流出文書には「最高機密」と記されているものもあり、その多くに3月初旬時点でのウクライナの戦況が詳述されている。当局は、文書を持ち出したとされる空軍州兵のジャック・テシェイラ容疑者(21)を週末に訴追した。

流出したある文書には、ウクライナが春に実行するとみられる反転攻勢について、「わずかな領土しか奪還できない」だろうとの見通しが記されていた。

ウクライナ政府は当初、流出文書について「フェイク」だと一蹴していたが、その後オレクシー・レズニコフ国防相が「虚実入り混じっている」との見方を示した。「事実と一致しない多くの情報が含まれている」

ウクライナのドミトロ・クレバ外相は4月11日、アントニー・ブリンケン米国務長官が「アメリカの揺るぎない支援を改めて確認し、ウクライナの勝利の可能性を疑う試みを強く拒否した」と述べた。

ロシアはクリミア防戦の準備

ロシアの当局者らは何週間も前から、ウクライナによる反転攻勢に向けた備えを行ってきた。3月24日にはドミトリー・メドベージェフ前大統領が、ウクライナ軍が「反転攻勢の準備を進めていることは、誰でも知っていることだ」「ロシア軍の参謀本部はそのことを計算に入れて、独自の解決策を準備している」とロシアのメディアに述べた。

戦争研究所は16日、ロシア軍はウクライナ南部で反転攻勢に備えた準備を進めているとの分析を示した。ロシア軍は、2014年にロシアが一方的に併合したウクライナ南部のクリミア半島で、防戦の準備を行っている。

だが米ワシントン・ポスト紙は4月12日、ウクライナの反転攻勢の開始時期について、悪天候や一斉攻撃のための装備の不足などが原因で遅れる可能性もあると報じた。

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