最新記事
デモ

フランス年金制度改革への抗議行動続く パリ市内では破壊行為も

2023年3月24日(金)09時55分
ロイター
火をつけられたモーターサイクル

フランスで23日、年金制度改革に抗議する全国的ストライキが9日目に入り、列車の運行が中断したほか、一部の学校が休校となった。パリ市内で撮影。(2023年 ロイター/YouTube)

フランスで23日、年金制度改革に抗議する全国的ストライキが9日目に入り、列車の運行が中断したほか、一部の学校が休校となった。内務省によると、抗議活動の参加者は全国で109万人。そのうち首都パリの参加者は11万9000人となり、1月に抗議活動が始まって以来最多となった。

抗議活動はおおむね平和的なものだったが、パリでは無政府主義者「ブラック・ブロック」の集団が店舗の窓ガラスを割るなどの破壊行為に及んだため、警察が催涙ガスを用いて制圧に乗り出す場面もあった。BFMテレビによると、26人が逮捕された。

ル・パリジャン紙によると、デモ隊は早朝に南西部トゥールーズ付近の高速道路と西部レンヌのバス発着場を封鎖した。

電力業界もストにより電力供給が削減された。

マクロン大統領は22日、退職年齢を2歳引き上げ64歳とする年金制度改革法について、国民の抵抗が強くても必要不可欠であり、年内に施行されると述べた。

穏健派の労働組合、仏民主労働総同盟(CFDT)を率いるローラン・ベルジェ氏はBFMテレビに対し、政府は同法を撤回しなければならないと訴えた。

一連の抗議行動は4年前の「黄色いベスト運動」以来、最も深刻な反政府デモとなっている。世論調査では年金制度改革法への反対が大多数で、政府が憲法の規定を用いて採決なしで強制的に採択したことにも反発している。

デュソプト労働相は「退職年齢については今後も論争が続くだろう」と述べた。その一方で企業が利益を労働者に分配する方法など「対話を再開することが可能な多くのテーマがある」と指摘した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

米加首脳が電話会談、トランプ氏「生産的」 カーニー

ワールド

鉱物協定巡る米の要求に変化、判断は時期尚早=ゼレン

ワールド

国際援助金減少で食糧難5800万人 国連世界食糧計
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 6
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 7
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 6
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 7
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 8
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 9
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中