女性のトップレス遊泳、公営プールでベルリン当局が許可 その理由は?
女性は当時、5歳の息子を連れていた。ドイツ紙に対し、「私にとって、そして息子にもこう教えていますが、(男女に)それほど違いはないのです」と述べている。男女で二次性徴後の身体に違いが出ることを認めつつ、「暑ければ男性は衣服を脱ぎ去る自由がありますが、女性にはそれがありません」と不平等を訴えていた。
一方、トップレスの許可と男女平等の関係を疑問視する声もある。ベルリン在住のある女性はCNNに対し、ささいな苦情からトップレス実現に至った判断は「たしかに素晴らしい」とコメントしながらも、「けれど私には、男女平等に具体的にどう影響があるのか、よく分かりません」と戸惑いを露わにしている。
各国のメディアの反応は? 欧米諸国へも波及は考えにくい状況
日本に住む私たちからすると、女性の胸部を公共の場で露わにしてよいとの判断は、大胆な決定にも思われる。このような動向は、順次欧米の各国に波及してゆくのだろうか?
男女平等の意識が高まる諸外国であっても、今回のような判断がドイツ国外に即座に広がることはないかもしれない。ロンドン大学ゴールドスミス校のキーオン・ウェスト教授(社会心理学)は、米ワシントン・ポスト紙に対し、ドイツの人々はヌードに対して「一般的にかなり寛容である」と説明している。
ドイツではヌードが「フリー・ボディ・カルチャー(身体を解放する文化)」の一環と位置づけられており、必ずしも性的なものとの認識はないのだという。裸に関しておおらかな今回の決定は、130団体以上のナチュラリスト・クラブが存在するドイツならではの、独自文化に根ざしたものだと同紙は捉えている。
英BBCは、「国外からドイツを訪れる人々は、ドイツ人が裸のまま湖で遊び、公園でいびきをかき、そしてサウナで汗を流す姿に、驚いたりときには困惑を覚えたりしている」と指摘する。記事はまた、「だがこの国は、公の場でのヌードが適切であり、かつ健全であると判断している国なのだ」とも補足し、ヌードに関し異なる価値観を持った国だと説明している。
胸部を隠すことはマナーの一環なのか、それともその強制が権利の侵害にあたるのか、文化圏によって捉え方は大きく変わってくるようだ。