6カ月以内? 欧米施設へのテロ攻撃は忘れた頃にやってくる
初期のIS-Kは民間人を標的にしていた。特にハザーラ人などの宗教的少数派に対する攻撃は悪名高い。タリバンの政権奪取後は、その権力基盤を弱体化させるため彼らへの攻撃を強めた。
一方で民間人への攻撃も続けているが、その狙いは国内に平和と安定を回復させたというタリバンの主張を突き崩し、政権の正統性を弱めることにある。
タリバンの政権奪取と米軍撤退は、IS-Kに有利に働いたようだ。その過程で生まれた混乱の中で、400人以上の外国人を含む数千人のIS-Kの戦闘員が刑務所から出獄した。
旧アフガン政府軍の崩壊とNATO軍撤退のおかげで空爆の脅威から逃れることもできた。空軍力をほとんど持たないタリバンは地上での攻撃に頼っているが、一般市民の怒りを買うだけでIS-Kの抑え込みには成功していない。
アフガニスタンの深刻な人道危機もIS-Kにとって追い風だ。経済的苦境にあえぐ人々やタリバンへの復讐に燃える人々は、戦闘員勧誘のターゲットになる。
既に旧政府の治安部隊がIS-Kに参加したという情報もある。内戦後の生活にうまく適応できない元タリバン兵がIS-Kに乗り換える可能性もある。
今のところ被害の大半は国内にとどまっている。クリラの警告がどこまで正確かもまだ分からない。それでもISと関連組織の脅威を過小評価すべきでないのは確かだ。
バイデン米大統領は米軍の撤退以来、IS-Kにほとんど言及していない。だが過去の例を見れば分かるように、彼らを軽視してはならない。