トルコ大地震、22日後に瓦礫から犬救出「まさに奇跡」
倒壊した建物から鳴く声を飼い主が聞きつけた YouTube/KPRC 2 Click2Houston
<倒壊した建物からはまだ犬の吠える声がする。ペットたちが生きている可能性は残っているとレスキュー隊員は信じている>
2月6日にトルコでM7.8の大地震が発生してから22日目、瓦礫の中からハスキー犬が救出された。USA Todayや米People誌が伝えている。
救助にあたった隊員はトルコの通信社Anadoluに対し、「飲まず食わずで22日間生き延びたのは本当に奇跡だ」と語った。
救出された犬の名はアレックス。映像からは、救助隊員が2つのコンクリートの塊の間に手を入れて、救い出す様子が映し出されている。22日ぶりに瓦礫から解放されたアレックスは、すぐさま水を与えられ、強く抱きしめられた。
アレックスの体重は少し減っていたものの、概ね健康な状態にあるという。飼い主は、倒壊した2階建ての建物の跡から犬の鳴き声を聞いて、地元の動物愛護団体「Haytap」に電話し、無事救出に至った。
瓦礫の中に閉じ込められたまま
アレックス生還のニュースは、大事な家族であるペットを探す被災者の希望の光になったが、助けを求める動物は依然多い。レスキュー隊員ジネット・パタン(49)は、Haytapのウェブサイトで、「瓦礫の中にまだたくさんの動物が閉じ込められている」と言う。
米国人道協会の国際部門である「ヒューメン・ソサイエティ・インターナショナル(HSI)」の動物救助・獣医師チームは、2月6日地震発生を受けて、すぐに被災地アンタキヤ入りし、倒壊した建物の中からペットを探す支援を続けている。
被害の大きかった地域に毎日向かい、捜索するチームもいる。見つけた動物は、切り傷、打撲、栄養失調、脱水、感染症の症状があり、それを保護し安全な場所に連れて行く。
HSIの動物災害対応ディレクターであるケリー・ドニサンは「動物病院テントで地元の獣医やボランティアと協力していますが、助けを求める声が絶えない」と明かす。
避難するためにペットを置いて行かざるをえなかった飼い主たちは胸が張り裂けそうな思いで過ごしている。倒壊した建物からはまだ犬の吠える声がするという。ペットたちが生きている可能性は残っているとレスキュー隊員は信じている。