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ロシアワグネルへの弾薬提供を拒否?プリゴジンとロシア軍との確執が激化
Wagner Group Likely 'Cut Off' From Russian Artillery Supply: ISW
ロシア南部クラスノダールのワグネル兵士の墓。高い死亡率の割に最近は目立った戦果を挙げられていない(1月22日) REUTERS
<プーチンの盟友プリゴジンと彼の率いる民間軍事会社ワグネルの旗色が悪い。侵攻初期のような目立った戦果もなく、ロシア政府・軍部との関係も悪化。>
ロシアの民間軍事会社ワグネル・グループがロシア国防省から武器弾薬の供給を受けられなくなったと訴えていることを、アメリカのシンクタンク戦争研究所(ISW)が報告した。
ワグネルの創設者で、ウラジーミル・プーチン大統領の長年の盟友でもあるエフゲニー・プリゴジンは20日、ロシア軍がワグネルへの弾薬の供給を停止したと語った。その原因は、ロシア政府当局者らとの「複雑な関係」だという。
ISWの見解では、ワグネルとロシア軍との関係が弱まっていることからして、プリゴジンが言う「当局者」とは、ロシア国防省の役人を指している可能性が高い。
「プリゴジンは、ロシア軍当局が彼の要求を無視し、弾薬の調達に関して新たに制限と制約を加えた結果、ワグネルは『完全な弾薬不足』に陥っていると主張している」と、20日のアセスメントでISWは報告している。その結果、ワグネルの傭兵は「死傷者が倍増」する事態に直面しているとプリゴジンは主張しているという。
ロシア国防省はプリゴジンによる刑務所での新兵勧誘を止めさせ、ロシア正規軍のための訓練場をワグネルが使えないようにした。だがプリゴジンによれば、「軍規に違反」して、ワグネルの傭兵集団に今も武器を提供しているロシア軍の士官も一部にはいるという。
失われる影響力
プリゴジンの傭兵部隊はプーチンと友好的な関係を築いてきたが、ウクライナ東部の要衝バフムトへの進攻でどちらの部隊が主導的な役割を果たしたかをめぐって、ロシア軍と衝突。最近ではロシア政府との確執が表面化している。
ワグネルの部隊はロシアのウクライナ侵攻で極めて重要な役割を果たしたが、今は現場での影響力を急速に失っているようにみえる。ISWは以前、激戦が展開されたドネツク州の前線で、プーチンが「疲弊した」ワグネルの部隊とロシア軍の部隊を入れ替えた事例を報告したことがある。
ワグネルはロシア軍と肩を並べて戦った前線で大量の死者を出しており、特にロシアの刑務所から採用された兵士の犠牲が大きかったと伝えられている。英国防省は17日、ワグネルが配備した元受刑者の死傷率は最大50%になりうると報告した。
2月の第2週にワグネルはメッセージアプリ「テレグラム」への投稿で、ロシア国防省がウクライナの前線にいる同社の部隊に「武器、弾薬、必要なものを何も」を期限までに送ってこなかったと主張、「何百人もの」死者が出たのはロシア政府のせいだと訴えた。
その後もプリゴジンはロシア政府を批判する「情報作戦」を続け、18日にはワグネルは(ロシア国防省に)属しておらず『ロシア軍とは何の関係もない』」と主張したとISWは報告した。