食事をしない若者が増えている、その深刻な背景
1日ゼロ食はさすがにレアケースだが、1日2食ないしは1食となると、パーセンテージはぐっと上がる。朝・昼・夕に分けて年齢層別の欠食率を出し、線でつないだグラフにすると<図1>のようになる。
2021年の折れ線(緑色)を見ると、25~34歳の4割が朝食を食べていない。夜更かしをして起きる時間が遅くなるなど、生活習慣が乱れがちなためだろう。3本の折れ線の高さに注目すると、この10年間で昼食を食べない人が増えているのが分かる。2021年では、45歳未満の3割ほどが昼食を抜いている。
在宅勤務が多くなっているためかもしれないが、節約のために昼食を抜いて1日2食にする人が増えていることも考えられる。節約で多くの人が真っ先に切り詰めるのは「食」だ。
コロナ禍や物価高の影響で、生きるための根幹の「食」を疎かにする(せざるを得ない)人が増えている。これは貧困化の問題で、政策による解決が望まれる。「食」は健康に生きるために欠かせないもので、この部分を公的に保障しないと、健康不良による医療費の増加や困窮型の犯罪の増加となって社会に跳ね返ってくる。
食料品(奢侈品は除く)については、消費税を無くすべきではないのか。電気代やガス代に国の補助が入るようになっているが、「住」や「食」への支援強化も求められる。生活の基盤は、社会で支えられねばならない。
<資料:総務省『社会生活基本調査』>