「これ以上住み続けることはできない...」トルコの若者たちの国外脱出が止まらない
これ以降、学生、若いプロフェッショナル、セレブ、中上流層、そして宗教団体まで、あらゆる人たちが国を出て行くようになった」と、オズテュルクは言う。
トルコ外務省によれば、国外で暮らしているトルコ人は650万人を超すという。状況が改善する見通しもなさそうだ。エルドアンの与党・公正発展党(AKP)は、世論調査での支持率が下落し、苦しい選挙戦を強いられている。
しかし、野党連合は現時点で大統領選の統一候補を擁立できず、時間切れが近づいている。「選挙の後、国外移住を望む人が再び増え始めるかもしれない」と、オズテュルクは言う。
国民の大量国外脱出は、既にトルコにダメージを及ぼし始めている。
「トルコにとって最も重要な資本が......流出している」と、カーネギー国際平和財団のアルペル・ジョシュクン上級研究員は指摘する。「AKPとトルコの若い世代の間には、明らかに断絶がある」
トルコの現体制を支持していないと語るギョクチェ・トゥンカは、39歳のエンジニア。トルコで勤務していたフランス企業で社内異動を希望し、現在はフランス南部のグルノーブルで暮らしている。
「状況がよくなれば、絶対にトルコに戻る。でも、今は無力感しかない。何も変えられないと感じている」と、トゥンカは言う。
ただこのように語りつつも、祖国への思いを断ち切れているわけではないようだ。
「フランスは住みやすい国。けれど、私の祖国ではない」