エネルギー危機で絶好調のアルジェリア、ロシアとの武器取引に対する「冷たい視線」はスルー
Boom Times for Algeria
中国とロシアがアルジェリアのBRICS加盟申請を歓迎したのは、当然だろう。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、昨年5月にアルジェリアを訪問。
中国の習近平(シー・チンピン)国家主席は昨年12月にサウジアラビアを公式訪問した際、アルジェリアのエイムン・ベンアブデラフム首相と会談し、さらなる関係強化を誓った。
ただし、加盟への道は簡単ではなさそうだ。
「問題はBRICS加盟国に課される一定の義務を受け入れられるかどうか。一部の法律を共通の基準に調和させる必要がある」と、首都アルジェのモハメド・アブデヌール・ラベヒ市長は昨年12月に語った。しかもBRICSは2010年の南アフリカを最後に、新たな加盟国を受け入れていない。
民主化デモが再燃する日
アルジェリアでは軍が実権を握っており、19年に軍の支援を受けて当選したテブンは反政府派を弾圧している。当局は昨年12月、著名なジャーナリストのイフサネ・エル・カディを逮捕し、彼が運営する独立系ネットラジオ局「ラジオM」を閉鎖した。
国内政治的な正統性を欠くテブン政権は、より積極的な外交政策を選択した。外貨収入の約9割を占める石油・ガス輸出の需要が伸びている今、アルジェリアは絶好調だ。
だがこの好景気が終わったとき、国民は19年に起きた大規模な民主化デモのように、再び変化を要求するかもしれない。