ベラルーシ大統領、プーチンとの会談前にコロナ検査を偽装していた疑いが浮上
ルカシェンコとプーチン(2022年12月) Sputnik/Alexei Danichev/Pool via REUTERS
<重病説もささやかれるロシア大統領との会談を前に、検査の証明書を偽造した疑いが......。ハッカーが盗み出した文書から見えてきたこととは?>
ロシアの同盟国であるベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は、ウラジーミル・プーチン大統領の「忠犬」とも呼ばれるほど忠実な盟友として知られる。最近では、プーチンの要請にこたえて、ついにウクライナ侵攻に参戦するために動員を開始した「証拠」だという動画も拡散されるなど、その動きに世界から注目が集まっている。
■【写真】偽造疑惑が浮上したルカシェンコの証明書と、ベラルーシ参戦準備の「証拠」だという動画
だがそんなルカシェンコが、プーチンとの会談前に新型コロナウイルス感染予防の適切な措置をとっていなかった疑惑が浮上した。プーチンについては癌などの「重病説」が繰り返し浮上しているが、その彼との会談前にルカシェンコとその息子が、PCR検査を行ったと装いながら実際は検査を受けていなかった可能性があるというのだ。
疑惑の源となったのは、あるハッカー集団がリークさせたルカシェンコ関連の複数の文書。ラトビアを拠点に、ロシア関連のニュースを伝えるメディア「メデューサ」によれば、「ユナイテッド・レジスタンス本部」と名乗るこのハッカー集団は、ルカシェンコを担当する医療センターから70以上のファイルを流出させたという。
ベラルーシの報道機関ミラーによれば、これらのファイルは、新型コロナのPCR検査を受けたという証明書の電子版であり、ルカシェンコと息子のニコライに対して発行されたものだ。
プーチンとの会談前に取得していた証明書
ミラーは、これらのファイルが本物であることを確認したうえで、各ファイルにQRコードが付いており、ルカシェンコを担当する医療センターの公式サイトにつながったと述べている。証明書の対象期間は、2021年4月から2022年12月だった。
ルカシェンコとニコライに発行された証明書は、プーチンとの会談前に取得されたものだとミラーは報道している。そのデータから、ルカシェンコはプーチンとの会談のほとんどに息子を同行させていたことがわかった。しかし、この情報は公表されていない。
ロシアの報道機関プラウダによれば、これらの証明書には多くの矛盾が含まれているという。最も顕著なものは、検査対象者のものとして記載されているパスポート番号が、ルカシェンコは2種類、ニコライは3種類あったことだ。