「明るい廃墟......」W杯のカタールにひっそりと佇む、奇妙な無人団地群 英サポーターが発見
内部に広がる驚きの空間
ロブ青年は住戸の1室に通され、室内を動画に収めている。そこには通常イメージする共同住宅の1室とはかけ離れた、非常に広大な住空間が広がっていた。
キッチンはそれだけで通常の居室が1つ取れそうなほど広々としており、ゆとりあるバスルームにはシャワーとバスタブが備わっている。このバスルーム内にトイレも備わっているのだが、これとは別に独立したトイレの小部屋が2つ用意されている。
複数窓の設けられた明るいベッドルームがいくつも備わるほか、バルコニーは奥行きが3メートルもあろうかという余裕の空間となっている。これらすべてで1戸であり、1棟あたりこのような住戸が数十と存在しているようだ。
セキュリティは「小さな」マンションだと口走ったというが、ロブ青年は「とても広い」と驚きをあわらにしている。
「トイレだけで、うちの寮より広い......」
動画に対してイギリスの視聴者からは、住戸の広さをうらやむコメントが寄せられた。イギリスは、平均的な部屋の広さが日本よりもさらに狭い。
ある大学生の視聴者は、「トイレだけでも、(ロンドン中心部の)ラッセル・スクエアにある私の大学寮の部屋全体より広い」とコメントした。誇張を交えたとみられるが、「私も」などと同調する学生たちからリプライが相次いでいる。
別の視聴者は「ロンドンの部屋だとしても場違いには感じられないが、値段は260万ポンド(約4億3000万円)ほどするだろうね」とのコメントを残している。
建設業に従事していたという人物は、「建設業をやっていた若いころ、仲間とコンテナハウスで暮らしていた。こんなマンションがあったら嬉しいよ」と語っている。
ただし、カタールにおける移民労働者は酷暑で死亡することもあるなど、一部では劣悪な待遇を受けている。この部屋も1人で住めるものではなく、ロブ青年の説明によると最大10名ほどが共同生活を送っていたようだ。
予想外のルームツアーを終えたロブ青年は、最後にセキュリティの2人と笑顔で記念撮影をして現場を後にした。
W杯開催のため7つのスタジアムを建設したカタールだが、そのためにまず30棟近い団地を新設していたことはあまり知られていないかもしれない。