最新記事

欧州

コソボ北部のセルビア系住民、道路封鎖の解除に同意 両国の緊張和らぐか

2022年12月29日(木)12時45分
コソボ北部で道路を封鎖しているセルビア系住民のトラック

コソボ北部で19日間にわたり道路を封鎖しているセルビア系住民は、緊張緩和を求める米国と欧州連合(EU)の要請に応じてバリケードを撤去することに同意した。12月18日、ミトロビツァで撮影(2022年 ロイター/Florion Goga)

コソボ北部で19日間にわたり道路を封鎖しているセルビア系住民は、緊張緩和を求める米国と欧州連合(EU)の要請に応じてバリケードを撤去することに同意した。

セルビアのブチッチ大統領はコソボ北部のセルビア系住民とセルビアのラスカで会談した後、バリケード撤去が29日朝から始まると明らかにした。

「これは長いプロセスで、しばらく時間がかかる」と述べた。

米国、北大西洋条約機構(NATO)、EUはコソボ北部での対立を巡り最大限の自制を促してきた。バリケードの撤去はセルビアとコソボの間の緊張緩和につながるとみられる。

セルビア系の元警官が他の警官に暴行したとして10日に逮捕されたことが抗議行動につながった。釈放を求めるセルビア系住民が警察と銃撃戦を繰り広げ、道路に10カ所以上のバリケードを築いた。

コソボ首都プリシュティナの裁判所の報道官は、元警官が検察当局の要請により拘束を解かれ、自宅軟禁状態に置かれたとロイターに明らかにした。

この決定に対しコソボの政府関係者は反発。Haxhiu法相は「テロに関連するこのような重大な犯罪で起訴された人物が軟禁になるのは理解できない」と述べた。クルティ首相は自宅軟禁を要請した検察官と承認した裁判官が誰なのか非常に興味があると語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

ミャンマー地震の死者1000人超に、タイの崩壊ビル

ビジネス

中国・EUの通商トップが会談、公平な競争条件を協議

ワールド

焦点:大混乱に陥る米国の漁業、トランプ政権が割当量

ワールド

トランプ氏、相互関税巡り交渉用意 医薬品への関税も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジェールからも追放される中国人
  • 3
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中国・河南省で見つかった「異常な」埋葬文化
  • 4
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 5
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 6
    なぜANAは、手荷物カウンターの待ち時間を最大50分か…
  • 7
    不屈のウクライナ、失ったクルスクの代わりにベルゴ…
  • 8
    アルコール依存症を克服して「人生がカラフルなこと…
  • 9
    最古の記録が大幅更新? アルファベットの起源に驚…
  • 10
    最悪失明...目の健康を脅かす「2型糖尿病」が若い世…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えない「よい炭水化物」とは?
  • 4
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 5
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 6
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 7
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 8
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 9
    大谷登場でざわつく報道陣...山本由伸の会見で大谷翔…
  • 10
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中