バミューダ・トライアングルの「怪事件」は今も続いていた...最新科学で遭難の謎に迫る
Bermuda Triangle Mysteries
いくつかの事件は未解明だ。1918年3月には米海軍給炭艦サイクロプスが同海域を航行中、乗組員もろとも姿を消した。残骸は発見されず、原因は分からないままだ。
1881年には、アメリカ船籍の帆船エレン・オースティン号をめぐる(真偽不明の)怪事件が起きた。
ニューヨークへ向かっていたエレン・オースティン号はバミューダ海域で、乗組員の姿が見えない船に遭遇した。救難作業員を派遣したところ、船は確かに無人だったが、航行状態は完璧だった。
エレン・オースティン号の船長はこの船を伴って目的地を目指した。だが嵐で離れ離れになり、その後に無人船が目撃されることはなかった。
番組撮影中に発見された意外な「残骸」
一方、何らかの残骸が見つかった事例もある。
ヒストリーチャンネルの番組撮影中、オキーフは海洋生物学者のマイク・バーネット率いる海底探査チームと共に、NASAのスペースシャトル「チャレンジャー」の大きな破片を同海域付近で発見した。
86年に打ち上げられたチャレンジャーは発射73秒後、フロリダ州沖の高度約14キロで爆発し、搭乗員7人全員が死亡した。
「発見は衝撃だった。フライト19遭難事件と、その捜索のために派遣され、同じく消息を絶ったマーティン・マリナー飛行艇の行方を追う過程で、アメリカ史と宇宙開発計画にとって重要な発見をするとは想像もしなかった」と、オキーフは語る。
「発見された場所はバミューダ・トライアングルの外だったが、フロリダ沖から大西洋にかけての一帯には、調査すべき謎が数多く残ることを証明している」
迷信や言い伝えに反して、バミューダ・トライアングルが危険な場所であることを示す具体的な証拠は存在しない。
航空機事故などに関する情報サイト「航空安全ネットワーク」や米沿岸警備隊は長年、遭難事件の一部は同海域の荒天状況が原因ではないかと示唆してきた。それでは説明のつかない事件もあるが、船舶の安全性が十分でなかった可能性がある。つまり、バミューダ・トライアングル自体が原因ではないということだ。
「疑問の答えが見つからないとき、仮説というパンドラの箱を開けて、知的渇望や好奇心をなだめようとするのが人間だ」と、オキーフは言う。
「だからこそ、船舶や航空機の往来が盛んで原因不明の出来事が相次ぐバミューダ海域は長らく興味をそそってきた。新しい捜索方法や技術が即座に利用可能になり、いわばジグソーパズルのピースが増えた今、ようやく同海域でのあらゆる現象をより明確に捉え、よりよく理解できるようになっている」
オキーフによれば、ヒストリーチャンネルの番組の目的は、バミューダ・トライアングルに点在する数百の遭難現場の一部を特定すること。それによって「理由も分からないままに愛する者を失った遺族の一部に解決をもたらす」ことを願っている。
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