第二のウクライナ化を恐れるジョージア プーチンの動員令逃れるため11万のロシア人が避難

ロシアがウクライナ侵攻部隊の増強策として実施した部分動員の完了を発表してから1カ月が経過したが、招集から逃れようと隣国ジョージアへと脱出した多くのロシア人男性は、全く帰国を急いでいないという。写真は徒歩でロシアからジョージアへ移動する人々。9月、ベルフニー・ラルス検問所で撮影(2022年 ロイター/Irakli Gedenidze)
ロシアがウクライナ侵攻部隊の増強策として実施した部分動員の完了を発表してから1カ月が経過した。だが、招集から逃れようと隣国ジョージアへと脱出した多くのロシア人男性は、全く帰国を急いでいないという。
ロシアのプーチン大統領は9月21日、ウクライナの一部でのロシア軍撤退を受けて部分動員令を発表。前線へ送られる懸念から、対象年齢にある数万人の男性がジョージアやアルメニア、カザフスタンなどの国へ向かった。
ジョージア政府が発表した統計によれば、2022年に11万人以上のロシア人がジョージアへ避難した。こうした動きはジョージアに好景気をもたらす一方、反ロシア感情の強い同国内での反発も招いている。
ロシアのプーチン大統領やショイグ国防相が招集完了を発表して1カ月が経ったが、避難したロシア人の多くは、すぐに国へ戻ることはないと口をそろえる。
「何よりもまず、紛争を終わらせなければならない」と、ゲーム開発者のエミールさん(26)。ロシアから出国するために国境の行列に並び、2日を費やしたという。トビリシで行われた取材に対し、こう訴えた。
「男性をはじめ、誰もがリスクに直面している状況だ。私は自分自身の安全を第一に考えている。警察の前を歩いて通り過ぎただけで逮捕される可能性がある国には、もちろん戻りたくない。自由と安心が欲しい」
ロシア政府は動員令そのものは撤回しておらず、事前通告なく追加動員が発令されるのではないかとの憶測も広がっている。
「何がどうなればロシアに戻りたいと思うか、漠然と考えてはいる。ただ、今は、トビリシにあるアパートを6カ月借りて、営業登録もしている。あと6カ月はここにいるだろう」と、モバイルゲーム業界で働くスラバさん(28)は語る。
「ロシアで何が起きているか、注視するつもりだ。一部のことを除けば、進んで帰国したいとは思っている。ロシアで暮らすことは気に入っているし、ロシアが大好きだから」