最新記事

ウクライナ戦争

ウクライナ兵も思わず失笑...全てを捨て「裸で川を泳いで」逃げていったロシア軍部隊

Russian Soldiers 'Flee Naked': Removed Uniforms, Swam Across River To Escape Ukraine Army

2022年11月16日(水)19時53分
ダニエル・オング
破壊されたロシア戦車

ハルキウ州に置き去りにされた破壊されたロシア軍の戦車(2022年9月) Gleb Garanich-Reuters

<ウクライナ国防省がインターネット上に投稿した撮影時期不明の動画には、川岸に残された数十人分のヘルメットや弾薬が>

ロシア軍の兵士たちが、ウクライナ軍から逃げるために軍服を脱ぎ捨て、「裸で」ドニプロ川を泳いで渡ったことを示す動画が注目を集めている。ウクライナ国防省がインターネット上に投稿した動画によれば、ウクライナ軍の兵士たちがドニプロ川のほとりで、ロシア軍の兵士たちが脱ぎ捨てていった数十のヘルメットやミリタリーベストを見つけたという。

■【動画】軍服も武器も置き去りに「裸で川を渡って逃げた」ロシア軍部隊

逃げ出したロシア兵たちは、弾薬や手榴弾も置き去りにして、泳いで川を渡ったようだ。動画の中であるウクライナ兵は、「ロシア人はこうやって逃げ出した訳だ。見てみろよ、奴らは裸で逃げていった。この川を渡ったんだ。弾薬も何もかも、置き去りにしていった」と述べ、さらにこう続けた。「ロシアの熊たちは、裸で逃げていった」

この動画がいつ撮影されたものかは分かっておらず、ウクライナ国防省は、撮影された場所も明らかにしていない。

CNNの報道によればロシア国防省は11月11日に、ウクライナ南部ヘルソン州の州都ヘルソンからの撤退を完了したと発表。全てのロシア部隊が、ドニプロ川の東岸地域に移動したと明らかにしていた。

ウクライナ軍は現在、ロシア軍が撤退したヘルソン市とその周辺地域の奪還を進めており、当局者たちは電力や通信、インターネットやテレビをはじめとする各種サービスの復旧作業にも取り組んでいる。

要衝ヘルソンからの撤退は大きな屈辱

ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は14日夜の定例会見で、「(ヘルソンでは)電気も通信も、インターネットもテレビも利用できない。占領軍が、意図的にすべてを破壊した」と述べ、「これが、ロシア国旗が意味するものだ。完全な荒廃だ」と非難した。

ヘルソンは、ロシア軍が軍事侵攻開始後の早い段階で掌握した最初の主要都市であり、彼らが制圧した唯一の州都でもあった。黒海に近い重要な港湾都市であり、ロシア軍が占領を続けるクリミア半島への玄関口でもある。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月末に、ヘルソン州を含むウクライナの4州について(これらの地域を完全に掌握していた訳ではなかったが)ロシアに併合すると一方的に宣言した。

しかしウクライナは夏の終わりにかけて、西側諸国から供与された長距離砲を使って、ロシア軍がヘルソンへの補給路として使用していた複数の橋を爆破。ヘルソンで戦うロシア兵たちを孤立させる作戦を進めた。

今回のヘルソン市からの撤退はロシア軍にとって、ウクライナ軍の反転攻勢により北東部ハルキウ州のほぼ全域を失ったことに次ぐ、屈辱の敗北となる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

シリア新暫定政府に少数派が入閣、社会労働相には女性

ワールド

タイ、対米貿易黒字200億ドルに削減模索 農産物な

ワールド

マスク氏、州裁判官選挙に介入 保守派支持者に賞金1

ワールド

米テキサス・ニューメキシコ州のはしか感染20%増、
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「最大の戦果」...巡航ミサイル96発を破壊
  • 4
    「炊き出し」現場ルポ 集まったのはホームレス、生…
  • 5
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 6
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 7
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 10
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大…
  • 1
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 2
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 7
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 8
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中