東京にもある、中国警察の「派出所」は何をやっているのか?
だがより懸念すべきなのは、派出所が反体制活動家など、帰国すれば弾圧を受けそうな人々を標的にしていることだと、報告書は指摘する。「帰国の説得」に応じたという体裁のため、公正な裁判の保証などの法的手続きを省くことができるという。
「こうした活動は2国間の警察・司法の公式協力を回避し、国際法に違反し、他国の領土の保全の原則を侵しかねない」と、報告書は批判する。「適正な法手続きや推定無罪の原則を無視し、中国にいる家族に対しては『連座制』を掲げて脅しをかけている」
その上で報告書は「標的に定めた個人や中国に暮らすその家族に対して、不適切な手段で帰国を強いることは、適正な法手続きや容疑者の最も基本的な人権を損なう行為」だと結論付けている。
10月に入ってスペインのエルコレオ紙は、報告書の内容の一部を裏付ける中国人外交官(匿名)の次の発言を報じた。
「2国間協力は非常に面倒だし、欧州各国は中国への容疑者引き渡しを嫌がる。裁きを受けるよう犯罪者に圧力をかけて何が悪いのか」
セーフガード・ディフェンダーズは1月にも別の報告書を発表したが、中国外務省は「中国の司法執行機関は国際ルールを厳守し、司法に関する他国の主権を全面的に尊重している」と反論。報告書は「臆測と嘘に満ちている」と批判していた。
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