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ウクライナひそかに家を売り...クリミアからロシア人が逃げ出しはじめた
Russians Secretly Selling Crimea Homes as Counteroffensive Looms: Ukraine
2014年、プーチンの写真を手にロシアによる併合を祝ったクリミアの女性 Shamil Zhumatov-REUTERS
<ウクライナ軍の反転攻勢を見て次はクリミアの番だと恐れたロシア人は、慌てて家族を逃そうとしている>
ロシアが併合した南部クリミア半島を、ウクライナ軍がまもなく反攻の標的にするという報道を受け、ロシア系住民は逃げ出しはじめている。
ウクライナ南部から黒海に突き出たクリミア半島は、ウクライナとの長年の紛争のあげく、2014年にロシアに併合された。ウクライナはそれ以来、併合を強く非難しており、ほとんどの国が今も同地域をウクライナ領と認めている。
ウクライナ軍は9月8日、北東部ハルキウの重要戦略拠点からロシア軍を追い出し、領土奪還に成功した。ウクライナ軍指導者たちはさらにクリミア半島奪還を目指し、同様の作戦を遂行するとほのめかしている。
ウクライナ国防省の13日の報告によれば、ロシア政府はクリミアのロシア系住民に安全を確約したものの、クリミア自治政府の指導者たちは家族をこの地域から脱出させようとし始めたという。
ウクライナ語で書かれたこの報告書によれば、「ウクライナを防衛する軍事作戦の成功によって、一時的にロシアが占領してきたクリミア及びウクライナ南部のいわゆる自治政府は、ロシア連邦の領土に家族を緊急に移転させざるをえなくなっている」
「半島に滞在するのは安全だと当局が保証しているにもかかわらず、クリミアを占領する行政機関の代表者やロシア連邦保安庁(FSB)職員、ロシア軍部隊の司令官たちは、ひそかに家を売り、親族を半島から緊急避難させようとしている」
脱出阻止と情報統制
報告書によると、クリミア自治政府は、民間人が家を売ったり、地域外に旅行したりすることを禁止しようとしている。また、ウクライナ軍の反転攻勢に関する情報も厳しく規制されているという。
「またウクライナを占領する当局は住宅の売買に関する契約の締結を禁止し、ロシア本土とクリミアを結ぶクリミア大橋の通過に制限を設け、ウクライナ軍の反撃に関する情報へのアクセスをあらゆる手段で遮断しようとしている」と報告書は締めくくる。「ウクライナの民間人に対して戦争犯罪を犯した者はみな捕らえられ、訴追されると、ウクライナ軍は脅している」
本誌はロシア当局にコメントを求めている。ウクライナ政府による報告の内容は、他の媒体で確認することができなかった。
7日に報じられた記事で、ウクライナ軍のバレリー・ザルジニー総司令官とウクライナ国会のミハイロ・ザブロツキー議員は、クリミアはウクライナ軍による2023年の反撃の主要ターゲットになるだろうと述べた。
「2023年の作戦を転機と考えるなら、ロシア連邦がこの戦争で最重視するものは何かという原点に立ち返って検討する必要がある」と、ザルジニーとザブロツキーは書いている。「ロシアにとって最も重要なのがクリミア半島の支配と定義されるならば、2023年に半島の支配を奪還することは、理にかなっている」
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