火星に春を告げる、青い噴出物 NASAの探査衛星MROが捉える
2022年7月6日(水)16時16分
英エクスプレス紙によると、これら扇状の模様および地表の亀裂は毎年繰り返しており、火星の景観を徐々に複雑なものにしているようだ。
2006年から現在まで稼働中のMRO
2006年11月に稼働した火星探査機のMROは6つの観測機器を搭載し、いまも現役で火星の観測を続けている。今回の画像を撮影したMROのHiRISEカメラは、高度250〜315キロの軌道上から、1ピクセルあたり最大30センチメートルという高解像度で地表を光学で捉える。
NASAは6月27日、HiRISEが捉えた火星のかつての河川の痕跡を発表した。マルガリティファー大陸と呼ばれるエリアで確認されたもので、液体の水が流れ浸食したことによる多数の渓谷が写っている。
渓谷は隙間なくびっしりと連なっており、地球ではおよそみられそうにない地形を生み出している。こうした渓谷は火星の地質学上、ノアキス代からヘスペリア代への過渡期とされる37億年前付近に起きた、河川の活動の跡だという。NASAはマルガリティファー大陸を、「火星で最も印象的な、水が生んだ地形」だと表現している。
まだ未知の部分も多い「隣の惑星」から、今後もMROが驚きの画像を届けてくれそうだ。
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