「何とも情けない」──対ロシア制裁を緩和し、プーチンを付け上がらせるEU
ロシアと飛び地を結ぶ鉄道がリトアニアを通過する INTS KALNINS-REUTERS
<7月13日、欧州委員会はロシアに対して武器以外の制裁対象物資を載せた列車の通過を認める方針を表明。道路での輸送は引き続き禁止だが、鉄道は物量で圧倒的>
バルト海に面したロシアの飛び地カリーニングラードとロシア本土を結ぶ鉄道をめぐって緊張が高まっている。
ウクライナ侵攻の制裁として、欧州委員会はロシア産の鉄鋼や金属製品などのEU域内の通過を禁じる方針を打ち出した。
これを受けて、カリーニングラードに隣接するリトアニアは先月、制裁対象物資を積んだ鉄道の自国内の通過を禁止。ロシアはリトアニアへの報復をちらつかせて、EUに撤回を求めていた。
7月13日、欧州委員会は対ロシア制裁の新たな指針を発表し、武器以外の制裁対象物資を載せた列車の通過を認める方針を表明した。道路での輸送は引き続き禁じられるものの、これは大幅な緩和だ。
だが、この変更はロシアのプーチン大統領を付け上がらせる屈辱的な対応だとして批判が殺到。リトアニアの隣国エストニアのイルベス元大統領は「何とも情けない」とツイートし、EU各国の高官やメディアもEUの弱腰を嘆いている。