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食料安全保障ウクライナの穀物輸出で4者協議 航路の安全確保や武器密輸監視で合意
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ロシア、ウクライナ、トルコの軍代表は13日、イスタンブールで国連の代表と会合し、ウクライナの黒海の主要港からの穀物輸出再開に向けた協議を行った。2016年7月撮影(2022年 ロイター/Valentyn Ogirenko)
ウクライナとロシア、国連、トルコの各代表団は13日、ウクライナの穀物輸出の再開に向けた協議をトルコのイスタンブールで開き、輸出航路の安全確保などで合意した。
トルコのアカル国防相は、来週には協定に署名するとの見通しを示した。トルコが輸送貨物の安全を確保し、当事者が港で貨物をチェックすることになると説明した。
国連のグテレス事務総長は記者団に「重要な一歩」を踏み出したと評価した。その上で、協定締結にはさらに実務的な作業が必要になるとの見方を示した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は「ウクライナの代表団から進展があったとの報告を受けた。数日以内に国連事務総長と詳細について合意する」と期待を示した。
トルコとウクライナによると、共同調整センターが設置される。ウクライナ大統領府のアンドリー・イェルマーク長官はツイッターに、黒海の安全航行の監視と調整を行うことが任務だと説明した。
ロシア側のコメントは得られていない。
ロシアのウクライナ侵攻に伴ってウクライナからの穀物輸出が滞り、世界的な食料危機が悪化する中、事態の打開に向け、トルコは国連と連携し交渉を後押してきた。
インタファクス通信はロシア国防省報道官の情報として、ロシア代表が協議で「問題の迅速な現実的解決」に向けた提案を行ったと伝えた。
外交官によるとこの日の協議では、1)穀物を積載する船舶が機雷のある海域を通過する際、ウクライナが先導する、2)穀物を輸出する船舶の航行中、ロシアは休戦に同意する、3)武器密輸を巡るロシアの懸念払拭に向け、トルコは国連の支援を受け船舶を検査する──という計画が検討された。
インタファクス通信によると、ロシア外務省当局者は、ウクライナの穀物を輸出するため、ロシアは外国船舶の航行を促す用意があると述べた。また、ロシアは武器密輸を排除するため、自ら船舶の管理・検査を行う意向を示したという。
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